FOOD
入門編にもぴったり! 江戸前寿司の新店〈鮨 由う〉は、早くも名店の予感。
March 4, 2017 | Food | casabrutus.com | photo_Kayoko Aoki text_Taeko Terao editor_Rie Nishikawa
赤酢を使ったシャリに、すべてのネタに仕事を施した〈鮨 由う〉。「高すぎない」価格設定のおかげで、本格的な江戸前寿司の入門編としてもおすすめだ。
景気がいいのか悪いのか? 少なくとも、新店がどんどん生まれ、次々予約が取れなくなっていく寿司界の活況を見る限り、東京ほど景気のいい街はないのではないかと思える。食べて飲んで、3万円〜は当たり前。1人あたり5万円の支払いをしたという話もざらに聞こえてくる。江戸時代にファストフードとして生まれた握り寿司はやがてご馳走となり、今や本格的な江戸前寿司は手の届かない存在になりつつある!?
そんな不安を吹き飛ばしてくれる寿司界のニューフェイス〈鮨 由う〉がオープンした。高級店がひしめき合う六本木で、おつまみと握り20品で1万5千円。決して安くはないが、全国的に高騰トレンドにある寿司の価格において、そして、内容的にもリーズナブルな値付けである。そこには大将、尾崎淳の「若い人にもちゃんとした江戸前の寿司を食べてもらいたい」という思いが反映されている。
地元、埼玉の寿司割烹で和食も学んだ尾崎はその後、〈鎌倉 以ず美〉や都内の名店で、伝統的な江戸前寿司の仕事を身につけた。魚を扱うテクニックだけでなく、ラップやタッパーなどをゲストの目に触れさせないなど、美しく見せるための仕事の所作から、カウンター商売ならではのもてなし方に至るまで、一家言ある親方たちから学んだ。
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