野村友里 春夏秋冬 おいしい手帖|ハマグリの茶碗蒸し、さよりの手毬寿司 | カーサ ブルータス Casa BRUTUS facebook-a facebook instagram line twitter youtube

野村友里 春夏秋冬 おいしい手帖|ハマグリの茶碗蒸し、さよりの手毬寿司

本誌連載、人気フードディレクター・野村友里さんの『春夏秋冬 おいしい手帖』と連動した動画です。旬の食材を使った母親から受け継いだ和食のレシピをアーカイブしていきます。

厳しい寒さも日に日に和らぐこのころ。早春は、一年の中で一番私の好きな時季でもあります。サヨリやハマグリは、この時季にかかせない楽しみな食材です。サヨリの身は淡白で、昆布の風味を移す昆布締めや酢の物にも適しています。今回は目からも春を感じられればと、「菜種あえ」で小さな手まり寿司にしてみました。菜の花を連想させる、裏ごした卵の黄身であえる昔ながらの調理法で、キスや鯛など他の白身魚にも向いています。

そして二枚貝のハマグリは、同じ貝の殻しかきちんと合わないことから、「貝合わせ」という平安時代の遊びも生まれました。ぴったり合うよい一生の伴侶に巡りあえるようにと、お雛さまにもかかせない素材になったそうです。 お吸い物としてよくいただきますが、今回はその旨味を凝縮した、柔らかい舌触りの茶碗蒸しにしてみました。日本の風習を愛でながらしみじみ味わいたいものです。

ハマグリの茶碗蒸し(4人分)、さよりの手毬寿司(6人分)

ハマグリ(砂出ししたもの)12個

(卵液)
卵 3個
出汁汁(かつおと昆布) 500ml
塩 適宜
薄口醤油 小さじ1/2
味醂 大さじ1
お酒 大さじ1
三つ葉 適宜


【さよりの手毬寿司(6人分) さよりの菜種あえ、菜花の麹漬け】
ご飯(やや固めに炊く)2合分
(合わせ酢)
米酢 60ml
砂糖 大さじ 1 1/2
塩 5g

サヨリ 3尾
天然塩 適宜
だし昆布 三枚におろしたサヨリの長さ、幅に合わせたもの2枚
ゆで卵の黄身 1個分

菜の花 1束
塩麹 大さじ1
塩 適宜
昆布 3cm角1枚
赤唐辛子(種を除く) 1本

作り方

1. ハマグリは、殻をこすり合わせてよく洗う。鍋にハマグリ、お酒と出汁の半分を入れ、ふたをして火にかけ、ハマグリの口が開いたら取り出して、火から下ろす。ハマグリの出汁は、一度濾してから粗熱をとる。

2. 卵液を作る。ボウルに卵を割りほぐし、1のハマグリのだし、残りのかつおの昆布出汁、塩、薄口醤油を加えて混ぜ合わせ、こし網に通す。

3. 三つ葉は、葉と茎を分け、茎は約5mm幅に切る。

4. 耐熱の器にハマグリを入れて、2を注ぎ、蒸気の上がった強火の蒸し器で約10分蒸す。蒸し上がったら3の三つ葉を散らす。


さよりの手毬寿司 さよりの菜種あえ、菜花の麹漬け
1. サヨリの昆布締めを作る。サヨリは、三枚におろして腹骨を除く。昆布1枚の上にまんべんなく薄く塩をふり、サヨリを並べて、さらにまんべんなく薄く塩をふる。もう1枚の昆布をのせて挟み、ラップフィルムで包んで1〜2時間、冷蔵庫におく。

2. 菜花の麹漬けを作る。菜の花は、茎の固い部分を切り落として、固めに塩ゆでし、ざるに上げて水気をよく絞る。塩麹と塩でよくあえて、昆布、赤唐辛子を加え、軽く重石をして1時間ほど漬ける。

3. 寿司飯を作る。合わせ酢の材料を温めて、砂糖を溶かし混ぜ、冷ます。ご飯を盤台に広げて、合わせ酢を回しかけ、うちわで仰ぎながらしゃもじで切るように混ぜる。粗熱がとれたら、直径3cmに丸め、バットに並べておく。

4. ラップフィルムを約10cm角に切ったものを2枚用意する。

5. 1のサヨリの昆布締めを、3の寿司飯になじみやすい大きさのそぎ切りにし、裏ごししたゆで卵の黄身をまぶす。4のラップフィルムを広げて、サヨリを置き、3の寿司飯をのせて、茶巾絞りのように丸く形を整える。菜花の麹漬けも同様に形を整える。

野村友里

フードディレクター。フードクリエイティブチーム「eatrip」を主宰。長年おもてなし教室を開いていた母の影響で料理の道へ。公式サイト

NEXT PAGE