リアル『将太の寿司』が麻布十番に?|寺尾妙子のNEWSなレストラン | ページ 2 | カーサ ブルータス Casa BRUTUS

リアル『将太の寿司』が麻布十番に?|寺尾妙子のNEWSなレストラン

大ヒット漫画『将太の寿司』に憧れて、韓国からやってきた店主が握る麻布十番〈すし家 祥太〉。漫画さながらのサクセスストーリーと、味が評判を呼んでいる。

料理はすべて、おまかせ13,000円のコースより。透き通った赤みが美しい、マグロのヅケ。
中トロ。マイルドなシャリでリッチなコクを受け止める。
脂が乗ったアジには生姜を効かせて。
赤貝。豊かな磯の香りが春を告げる。
さらりとしたツメを仕上げに塗った、煮ハマグリ。
当時は日本語ができず、話が通じないところもあった。

「知り合いの韓国人のおばちゃんのアドバイス『相手が何を言ってるかわからないときは、とにかく頑張ります! って言えばいい』を思い出して、何を聞かれても、ひたすら『頑張ります!』を連呼しました」

それから8年間、江戸前寿司の職人として腕を磨いた。そんな祥太が目指すのは「握り中心の店」である。

「今、東京で人気のお寿司屋さんはつまみ6〜7品に、握り6〜7貫も出すところが多い。でも僕は握り寿司が大好きで、寿司職人になりましたから、握り中心でいきたい。寿司は元々、庶民の食べ物。普通のサラリーマンでも来られるお店にしたくて」

おまかせコースはつまみ2品に握り14貫、巻物、玉子、お椀の構成で13,000円。かなりリーズナブルな価格ながら、使う魚の質は修業先である〈鮨かねさか〉同様のクオリティだ。
自慢のコハダ。握り12貫のうち、季節によって2、3種の締めものが入る。
甘酢で締めた春子。芝海老でつくるほんのり甘いおぼろが中に。
コース中のおつまみ2品のうち1品は、ワカサギの南蛮漬けのような季節のもの。
おつまみ2品のうち、通年で提供される煮ダコ。ほうじ茶で煮てから、味付けをする江戸前式。この後、握りに。
リアル“祥太の寿司”は実直そのもの。修業の成果を真面目に、気を抜かず1貫に込める。得意は締めものだ。

「寿司の味がわかるようになってから、締めものが大好きになったんです。締める人の塩や酢加減で味が変わるのもおもしろいですし、日本酒にもよく合いますから」

その代表ともいえる小肌は、ほの温かいシャリの上でほんのり香り、マイルドな締め加減。噛むとジュワッと旨みのある脂が染み出す。赤酢と塩だけで調味したシャリのやさしい味わいともぴったりマッチする。

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