星付きレストランが京都で手がけるオーガニックラーメン|寺尾妙子のNEWSなレストラン | ページ 2 | カーサ ブルータス Casa BRUTUS

星付きレストランが京都で手がけるオーガニックラーメン|寺尾妙子のNEWSなレストラン

東京・西麻布の1ツ星レストラン〈クローニー〉が京都でラーメン店〈ル・セル〉をプロデュース。前菜から始まり、ラーメン、デザートに至る小会席スタイルで、素材すべてがオーガニックなのも新しい。

「魚のコンソメラーメン」はサワラ節のほか、鰹節、マグロ節、サバ節、片口イワシなどでとった、透明感あふれる出汁。香ばしいネギ油に爽やかな柚子の香りを添えた和な一杯。
「98%鶏白湯ラーメン」は98%鶏白湯スープで、残り2%は調味料という意味のネーミングだとか。鶏ガラをこんがり焼いてから香味野菜と一緒に出汁をとったスープは見た目よりすっきりした後味。具の鶏肉は塩と砂糖、ニンニク油でマリネしてから、真空調理したもの。
名前に偽りなし!「美味しすぎるビーガンラーメン」。あえて焦がしめにソテーしたキャベツとポタージュのようなスープの絶妙なマッチング。
サワラ節を中心とした数種の節でとった魚系スープの「魚のコンソメラーメン」のクリアな旨み。この一杯をつくるため、日本で唯一〈ル・セル〉だけが取り寄せているニュージーランド産オーガニックかつフリーレンジの鶏に玉ネギやニンジンなど、ミルポワと呼ばれる香味野菜を加えてとった「98%鶏白湯ラーメン」のまろやかなコク。焦がしキャベツをメインに玉ネギや長ネギ、大根など野菜しか使っていない「ビーガンラーメン」の驚くほどパンチが効いた味わい。それぞれが星付きらしい仕上がりになっているのだ。

ラーメンの麺とかえし(タレ)は共通。多くのカリスマラーメン店からも支持される製麺所、京都〈麺屋 棣鄂(ていがく)〉に特注したオリジナル麺で、オーストラリア産オーガニック小麦粉でつくるストレート細麺。かえしは日々、進化中とのことだが、醤油や塩など調味料ももちろんオーガニックと徹底している。
「野菜ソテー」。昆布と鰹節の出汁で炊いてから、ソテー。ビーガンの「煮物」には鰹節は使われていない。
「きのこのラビオリ」の具は舞茸、シメジ、エノキダケなどのキノコ類、キャラメリゼして甘みを引き出したキャベツなどと合わせたもの。揚げた餃子の皮を散らしてアクセントに。
丹後産コシヒカリを宇治のほうじ茶で炊き上げた「京茶飯(中)、漬物、味玉」。手前左からアンデスの岩塩、ゴボウの煮物、ホウレン草の胡麻和え、煮卵。茶飯に塩をパラリとかけるだけで、味が激変。一気にごはんがつまみになる。
「デザート」はもち米で手作りした牛肥で、豆乳とホワイトチョコレートのクリームを包んだ、ひと口サイズ。
前菜からの3品が、メインのラーメンまで盛り上げてくれる。

春先ならタケノコやアスパラガスなど、旬の野菜をソテーまたは煮物で。2品目は餃子をイメージしつつ、〈クローニー〉らしさも感じさせるラビオリ。その後に京茶飯だ。

ラーメン直前に炭水化物? と一瞬、引くかもしれない。だが、そこはちゃんと計算されている。「麺が伸び過ぎず、スープが冷めないうちに食べてもらいたい」という思いから、ラーメンは軽めの量、茶飯もスタンダードでもごく軽め、さらに小サイズも選べる。岩塩やひと口ずつの惣菜が一緒に出てくるのだが、お酒のアテにもなり、煮卵はラーメンの具にもできる。なかなか、よく考えられているのだ。
左がオーガニック麦茶、右「冷酒」600円。
左から、少し苦めのピルスナータイプ、日本ビールの有機農法富士ビール「ビール」600円。爽やかなすっきりタイプ、新潟・菊水酒造の菊水 純米吟醸 オーガニック清酒「冷酒」600円。使用されている生姜、レモン果汁、すだち果汁などもすべて有機、広島・宝積飲料の「ジンジャーエール」400円。
海外からのゲストも多い京都から、新しい日本文化を発信したいということで、あえてワインは置かず、アルコールは日本酒とビールのみ。また、サービスマン全員がソムリエという〈クローニー〉が手がけているだけあって、フリーの麦茶ですら、ワイングラスに注がれるあたりもさすがだ。もちろんオーガニック。

ラーメンは不健康とか、サクッと食べる軽食、そんな既成概念を覆す、ヘルシーでいて優雅なひとときを過ごす、それがこの〈ル・セル〉なのだ。

〈Le Sel (ル セル)〉

京都市清水4丁目148-6 TEL 075 748 1467。10時〜17時LO。水曜休。予約可。コース2,500円。ビール600円、冷酒600円(以上、税込)。

寺尾妙子

てらおたえこ  食ライターとして雑誌やWEBで執筆。好きな食材はごはん、じゃがいも、トリュフ。現在、趣味の茶の湯に邁進中。

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