コラボレーションの館と化した〈ヴァレンティノ 銀座〉|石田潤のIn The Mode | ページ 2 | カーサ ブルータス Casa BRUTUS

コラボレーションの館と化した〈ヴァレンティノ 銀座〉|石田潤のIn The Mode

〈GINZA SIX〉の〈ヴァレンティノ 銀座〉が、コラボレーションの館「VALENTINO TKY」に。伝統工芸からストリートファッションまで、ここでしか見られないユニークなコラボレーションが展開中だ。

2階に展示された宮崎いずみの写真作品。
手前の棚には三浦孝之の職人技が光る簪。
ポップなプリント柄のアイテムが揃うウィメンズ。
2階に展示された宮崎いずみの写真作品。
手前の棚には三浦孝之の職人技が光る簪。
ポップなプリント柄のアイテムが揃うウィメンズ。
2階の「ガールズ プリント マニア クローゼット」で一際目を引くのは、写真家・宮崎いず美の作品だ。SNSで発信されたセルフポートレートが海外でも話題の宮崎は、モトーラ世理奈を被写体におなじみのシュールな世界を展開。ピエールパオロも気に入ったらしく、東京で発表されたプレフォールコレクションでも、宮崎の作品をプリントしたアイテムが登場した。続く3階「ボーイズ カモ クローゼット」ではVLTNのロゴを配した着物や下駄、岡山のデニムメーカー「クロキ」とコラボしたアイテムが登場した。
メンズアイテムが揃う3階。奥の襖絵は村林由貴によるもの。
武具や甲冑、それを纏う人々をモチーフに制作する野口哲哉の作品。
メンズはカモフラージュ柄を基調に。
メンズアイテムが揃う3階。奥の襖絵は村林由貴によるもの。
武具や甲冑、それを纏う人々をモチーフに制作する野口哲哉の作品。
メンズはカモフラージュ柄を基調に。
そして最上階となる4階の「ザ レッドギャラリー」には、日本の現代アートと伝統工芸が集結。これらの作品は各階にも散りばめられているが、鎧兜をまとった人物のどこかユーモラスなフィギュアが人気の野口哲哉を始め、バルテュスの娘でジュエリーアーティストとして活動するハルミ・クロソフスカ・ド・ローラ、妙心寺退蔵院の絵師にも抜擢された若手襖絵師・村林由貴、海外にも知られる漆芸作家の更谷富造、今や数少ない錺簪職人である三浦孝之、京都の能面師・寺井一佑、蒔絵師の箱瀬淳一と作家のセレクションがなんともユニークだ。彼らに共通するのは、伝統文化をモチーフにしていることとその高い技術。クチュールブランドであるヴァレンティノに共通する世界観でもある。
ギャラリースペースとなった4階にはアーティストの作品と書籍が揃う。
ラウンジのようなギャラリーにはヴァレンティノのクチュールドレスも展示。
ハルミ・クロソフスカ・ド・ローラのジュエリー(非売品)。
ギャラリースペースとなった4階にはアーティストの作品と書籍が揃う。
ラウンジのようなギャラリーにはヴァレンティノのクチュールドレスも展示。
ハルミ・クロソフスカ・ド・ローラのジュエリー(非売品)。
日本独自の美意識である「間」や「侘び寂び」と、イタリアで空間と古典的な美の調和を意味する「Belleza(ベレッザ)」の融合を目指したというピエールパオロ。日本とイタリア、過去と現在、クチュールとストリートなど異なる要素が混じり合い生まれた独自のコラボレーション空間となっている。

「VALENTINO TKY」

〈ヴァレンティノ 銀座〉東京都中央区銀座6-10-1 GINZA SIX。〜12月9日。

石田潤

いしだ じゅん  『流行通信』、『ヴォーグ・ジャパン』を経てフリーランスに。ファッションを中心にアート、建築の記事を編集、執筆。編集した書籍に『sacai A to Z』(rizzoli社)、レム・コールハースの娘でアーティストのチャーリー・コールハースによる写真集『メタボリズム・トリップ』(平凡社)など。