プラダの建築展が上海で開催中! |石田潤の In the mode | ページ 3 | カーサ ブルータス Casa BRUTUS

プラダの建築展が上海で開催中! |石田潤の In the mode

OMA、ヘルツォーク&ド・ムーロンとタッグを組んだ建築物で、ファッションと建築の新たな関係性を作り出してきたプラダ。その一連のプロジェクトをまとめた展覧会が、上海に誕生した〈PRADA Rong Zhai〉で開催中だ。

●歴史的建造物の修復を通して得られるもの。

18世紀のパラッツォを改装した〈プラダ財団—カ・コルネール・デッラ・レジーナ〉はヴェニスの主要なアート施設の一つに。
プラダの歴史的建造物のリノベーションプロジェクトは、2011年にヴェニスにオープンした〈プラダ財団—カ・コルネール・デッラ・レジーナ〉に始まる。

ヴェニスの心臓部とも言えるグラン・カナル沿いにある18世紀のパラッツォを修復し、プラダ財団によるアートの展示スペースとしてオープンした。そして2014年には、ミラノの〈ガレリア・ヴィットリオ・エマヌエーレII世〉修復を支援する大プロジェクトに着手する。

世界最古のショッピングモールであるガレリアは、創業者であるマリオ・プラダが1913年に最初の店舗を開いた地でもある。修復は13か月にわたり、プラダは同時に店内に創業当時を思わせるマホガニーの棚の設置などをおこなった。2016年には、ガレリア内に写真を中心に展示するギャラリー施設〈Osservatorio〉も開設している。
〈ガレリア・ヴィットリオ・エマヌエーレII世〉の中心部に位置するプラダの第一号店。
ロックは、〈PRADA Rong Zhai〉も含めた一連のリノベーションプロジェクトは、プラダにとって深い学びの場と位置付ける。

「当時の写真や図面を通して表面的に学ぶだけでなく、その場所がどのように作られたのか、用いられていたのかを知る絶好の機会となるのです」
ミラノの〈プラダ財団〉。黄金に輝く〈ホーンテッド・ハウス〉(右)は既存の建物に24金の金箔を覆った。
そして、リノベーションと新たな建物の建設、過去と未来という二つの要素を兼ね備えたプロジェクトが、ミラノで進行中の〈プラダ財団〉だ。元蒸留酒醸造所であった施設をベースに、OMAが改装、そして新たな建物を作っている。7つのリノベーション建築、3つの新たな建築物(最後の一つが2017年末に完成予定)からなる施設は、レクチャーや映画祭、アートの展示など様々な用途に対応する。

過去と未来の統合というのは、プラダというブランド自体のテーマでもある。プラダにおいてファッションと建築は、影響し合い、時に重なりながら、進化しているのだ。

Prada Rong Zhai

NO.186 NORTH SHAAN XI ROAD, JING’AN DISTRICT, SHANGHAI。TEL86 021 2218 0200。〜12月17日。10時〜17時(木、金、土〜21時)。月曜休。

石田潤

いしだ じゅん  『流行通信』、『ヴォーグ・ジャパン』を経てフリーランスに。ファッションを中心にアート、建築の記事を編集、執筆。編集した書籍に『sacai A to Z』(rizzoli社)、レム・コールハースの娘でアーティストのチャーリー・コールハースによる写真集『メタボリズム・トリップ』(平凡社)など。