モチーフは日本庭園!? マルニ世界最大級の旗艦店|石田潤のIn the mode | ページ 2 | カーサ ブルータス Casa BRUTUS

モチーフは日本庭園!? マルニ世界最大級の旗艦店|石田潤のIn the mode

表参道ヒルズに誕生したマルニの旗艦店。コレクション会場やミラノ・サローネのインスタレーションでも注目を集めるフランチェスコ・リッソが創り出した新しいマルニの店舗デザインとは?

キッズコレクションのスペースも初登場。
――日本の伝統的な要素だけでなく、現代の東京からヒントを得た部分もあるのでしょうか?

東京を訪れるたびに、その非論理的な創造力にいつも魅了されます。この店舗用にリサイクル木材とガラス、スチール、樹脂、そしてスポンジを組み合わせた什器をデザインしましたが、60年代後半から70年代にかけて建てられた東京の実験的な建物がイメージソースになっています。ここは実験的な店舗で、マネキンも初めて置きました。マルニでは店舗にマネキンをディスプレイで使用したことはなかったんです。初めて作ったマルニのマネキンは、ギリシャ彫刻からインスパイアされたものですが、布で包むことでソフトスカルプチャーのように見せています。今シーズンのコレクションにも通じる考え方で、いかにクラシシズムを再解釈するかがテーマです。
各スペース間には仕切りがなく、曲がりくねった導線が訪れたものを奥へと導く。
――オンラインショッピングが隆盛を極める中で、旗艦店が果たす役割をどのようなものだと考えますか?

オンラインショッピングと店舗では、アプローチが異なります。オンラインはアイテムを“見る”もので、店舗ではマルニというブランドを”経験する”ことができます。僕の夢は、いつか工場見学をするように、全てのプロセスが見えるお店を作ること。デザインから、制作、販売の過程まで全てを体験できれば、それはオンラインでただアイテムを見て、買う行為よりも、はるかに人を惹きつけるのではないでしょうか?
店舗の一番奥に設けられたウィメンズのスペース。親密な雰囲気の中でショッピングを楽しめる。
ーーデザイナーとして既存のブランドを引き継ぎ、進化させていく上で、大事なことはなんだと思いますか?

そのブランドを愛することですね。マルニにやってきた当時よりも、コンスエロが作ったものや考え方をさらに愛するようになりました。もちろん私はコンスエロではありませんし、自分のアイデンティティもあります。自分自身の過去や考え方も踏まえた上で、毎日そこから始めます。今や、マルニというブランドが自分自身の一部になったようにも思えるほどです。ブランドとのつながりを感じられるからこそ、情熱を持って新しいものを生み出すことができるのです。

〈マルニ表参道〉

東京都渋谷区神宮前4-12-10 西館1F。11時~21時(日曜~20時)。TEL 03 3403 8660。

フランチェスコ・リッソ

1983年にイタリア・サルデーニャ島の近くで生まれる。プラダでウィメンズコレクションとスペシャルプロジェクトを担当したのち、2016年にマルニのクリエイティブ・ディレクターに就任。

石田潤

いしだ じゅん  『流行通信』、『ヴォーグ・ジャパン』を経てフリーランスに。ファッションを中心にアート、建築の記事を編集、執筆。編集した書籍に『sacai A to Z』(rizzoli社)、レム・コールハースの娘でアーティストのチャーリー・コールハースによる写真集『メタボリズム・トリップ』(平凡社)など。

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