古今東西 かしゆか商店【紅型の扇子】 | ページ 2 | カーサ ブルータス Casa BRUTUS

古今東西 かしゆか商店【紅型の扇子】

『カーサ ブルータス』2019年3月号より

日常を少し贅沢にするもの。日本の風土が感じられるもの。そんな手仕事を探して全国を巡り続ける、店主・かしゆか。今回は、型紙で模様を描く型染め布「紅型」を探して沖縄へ。琉球王朝でも愛された伝統を継ぐ、30代の作家を訪ねた。

「紅型が沖縄の風土と自分を繋げてくれる」と話す縄さんは、〈紅型ナワチョウ〉の屋号で活躍中。
顔料は日本画用のもの。
「紅型が沖縄の風土と自分を繋げてくれる」と話す縄さんは、〈紅型ナワチョウ〉の屋号で活躍中。
顔料は日本画用のもの。
「紅型はひとつの画面の中でいろんな色を使うので、隈取りで統一感やメリハリを出すんです。お化粧にたとえると、地の色がファンデーションで、隈取りは口紅やアイライン。紅型の先生には“隈取りはニコッと笑っているような気持ちで描くこと”と教わりました」

その「ニコッ」という感じ、わかります。色の美しさはもちろんですが、それ以上にときめくのが柄のかわいらしさ。琉球舞踊の衣装に使われた鳥の絵や、伝統的な牡丹柄をモダンにアレンジしたもの、アールデコのカップの柄を参考にした図案まであるんですよ。

「紅型に親しんでほしいから、伝統柄だけでなく今の気分に合う図案も考えます。どちらの場合も、大切にしているのは品格。琉球王朝で貴族が使っていたという紅型の歴史や、守られてきた品性はなくさないように意識しています」
扇子は気品のある色をセレクト。
図案を彫って型紙を作る。
扇子は気品のある色をセレクト。
図案を彫って型紙を作る。
紅型という工芸の意義を大事に引き継いでいるから、現代ふうのデザインでも「芯」が感じられるんですね。今回の買い付けは、品があって親しみやすい扇子に決めました。鮮やかな色と模様で琉球の風を運ぶ、美しい手仕事です。

紅型の扇子 作/縄トモコ

扇子12,000円、ブックカバー6,000円。

なわともこ/1981年鳥取県生まれ。個展は3月23日~31日に沖縄〈GARB DOMINGO〉、5月は東京〈雨晴〉で。今回の撮影場所は、縄さんの作品も常設の〈atelier+shop COCOCO〉(沖縄県南城市當山124 TEL 090 8298 4901)。

かしゆか

樫野有香(かしゆか) テクノポップユニットPerfumeのメンバー。3月から北米・アジアツアー開始。4月には世界最高峰のフェス、コーチェラ2019に出演。旅先でよく買うのはコースター。www.perfume-web.jp