デンマークの感性から生まれた、レストラン〈INUA〉の椅子《JARI》。
デンマークのレストラン〈noma〉でシェフを務めたトーマス・フレベルを迎え、東京・飯田橋にオープンした話題店〈INUA〉。このレストランのための椅子《JARI》をデザインしたOEOスタジオのトーマス・リッケと、製作を担当したクルーガーブラザースのヨナス・クルーガーが、その背景にあるストーリーを語った。
「不安定な椅子では快適な体験は得られないし、メンテナンスが必要なのはレストランにとっても負担になります。《JARI》アームチェアのデザインは、短期間のうちに様々なハードルを超えなければならないプロジェクトでした」(トーマス・リッケ)
「背もたれとアームレストのジョイントに十分な強度をもたせ、アームレストを細めに仕上げるのが難しかったですね。ここは椅子の中でも特に負荷のかかる部分です。デンマーク人の私たちにとって椅子とは、自分の人生よりも寿命が長く、子どもたちの世代に受け継がれ、財産になりえるもの。日本もそうですよね? そのためにふさわしい椅子ができたと思います」(ヨナス・クルーガー)
「ここ数年はイタリアのメーカーさえも、伝統を受け継ぐデンマークの家具づくりを参考にしています。私たちの仕事は、自分たちの視点で伝統を解釈して、現代のデンマークデザインを作り上げること。〈クルーガーブラザース〉は、20世紀の名作家具を作り続けるブランドとも、ニューノルディックと呼ばれる新興ブランドとも違う、新しいタイプのブランドだと思います」(トーマス・リッケ)
クルーガーは、脈々と進歩を重ねてきたデンマークのクラフツマンシップと、長い年月の中で磨かれて美しい丸みを帯びた玉砂利のイメージが重なると語る。《JARI》アームチェアは、北欧の優れた家具の系譜に位置づけられる、現代ならではの椅子ということだ。

●〈INUA〉のためにつくられた《JARI》シリーズ
2019年春よりアクタス店舗にて販売を開始。アームチェア239,000円〜、テーブル(日本未展開)。2月17日まで開催の〈アクタス・六甲店〉での『101脚のイス』展にてアームチェアのサンプルを見ることができる。東京では、3月9日より〈アクタス・青山店〉で開催される『SCANDINAVIA DESIGN TOKYO』で先行販売を予定。

●〈noma〉のためにつくられた《ARV》シリーズも同時期に登場
2019年春よりアクタス店舗にて販売を開始。アームチェア200,000円〜、テーブル(日本未展開)。デザインは新生〈noma〉のインテリアデザインを手がけたスタジオ デビッド サルストラップ。《JARI》シリーズ同様に、クルーガーブラザースが製造を手がける。3月9日より〈アクタス・青山店〉で開催される『SCANDINAVIA DESIGN TOKYO』で先行販売を予定。