福岡の〈ライトイヤーズ〉と〈1834〉|川合将人のインテリアスナップ
インテリアスタイリストが街で見つけた素敵な空間を紹介する連載5回目は、福岡のショップ〈ライトイヤーズ〉と〈1834〉。手仕事から生み出された魅力的なアイテムを揃える2つのお店には、空間を彩るアイデアが満載です。
〈1834〉
続いて訪れたのは、世界各地のカゴを扱うショップ〈1834〉。ライトイヤーズ同様、空間のベースは白い壁と天井、什器はヨーロッパの木製アンティーク家具を用いていますが、エントランスに設置された迫力満点のミラーボールや、球状の金属シェードが連結した照明など、ややクセの強いアイテムがミックスされているところがおもしろいです。床に敷いたサイザル麻のカーペットの暖かい雰囲気も魅力的でした。
ショップカウンター奥の壁に設置された、ミラー仕上げの大きなアンティーク扉も印象的です。シャビーすぎない適度なエイジング具合と分割されたミラーの反射効果が独特の奥行きを演出し、民芸のカゴが並ぶ店内でモダンアートのような存在感を放っているように感じました。
店内にはアジアやアフリカの貴重な工芸品など、細かな手仕事が魅力的な世界各地のカゴが並んでいます。中で気になったのは、ベルギーの縫製工場で使われていた取っ手付きの大きな編みカゴ。およそ100年前に作られたものらしいのですが、複数あるうちの1点に、破損した部分が糸巻きの部品で補修されたものを見つけました。見た目のかわいらしさに加え、きっと工場の誰かが挿したのだろう、ストーリーを感じさせる意匠が気に入りました。
〈ライトイヤーズ〉の後染めキルトをシートやクッションの生地に使用したシンプルなスタイルのオリジナルソファも、テキスタイルの楽しみ方やアレンジ方法をシンプルに感じられ印象的でした。
〈ライトイヤーズ〉の後染めキルトをシートやクッションの生地に使用したシンプルなスタイルのオリジナルソファも、テキスタイルの楽しみ方やアレンジ方法をシンプルに感じられ印象的でした。
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川合将人
かわいまさと 雑誌、カタログ、広告などでインテリアスタイリストとして活躍。イベントの会場構成、ショップやハウスメーカーの空間を数多く手がけ、執筆活動も行っている。