DESIGN
豪州最古の美術館で、〈nendo〉最大規模の海外エキシビションが開幕。
December 11, 2018 | Design, Art, Travel | casabrutus.com | text_Aya Hasegawa
オランダの画家・版画家、M.C. エッシャーの作品と、〈nendo〉とのコラボ展が〈ビクトリア国立美術館〉でスタートした。
オランダの画家・版画家、M.C. エッシャー(1898-1972)と、佐藤オオキ率いるデザインオフィス〈nendo〉の2人展「Escher × nendo | Between Two Worlds」が開幕した。同展は、2015年に実施された「アンディ・ウォーホル × アイ・ウェイウェイ」に続くコラボレーション企画で、メルボルンに位置するオーストラリア最古の美術館〈ビクトリア国立美術館〉にて4ヶ月にわたって開催される。
錯視を利用した独創的な作風で知られるエッシャーの作品157点と、そこからインスピレーションを得て〈nendo〉が手がけた空間やオブジェを、9つの空間からなるスペースに展示。9つの空間では、「エッシャーの思考の変遷」をイメージした、一連のストーリーが構成されている。また、《描く手》(1948年)のベースとなった手がひとつだけ描かれた作品を最初に展示し、2つの手がお互いを描いている「描く手」を最後にあしらい、この2作品で全体を挟むことによって、同展のコンセプトを際立たせた。
エッシャーの作品には、「作品の案内人」として「人」や「動物」、「虫」といったアイコンがたびたび登場することから、今回は「家型」をアイコン化し、「展示の案内人」とした。また、展示されるエッシャー作品がいずれも「3次元的な2次元表現」であることから、空間を構成する要素はできるだけ「2次元的な3次元表現」とすることを意識したという。さらに、エッシャーの表現方法を意識し、色彩を一切使用しない「白・黒・グレー」の3色のみの空間を作りあげた。
なお、展示スペースの前後にはカフェとギャラリーを設け、カフェは向きの異なる複数の家型をモチーフにしたグラフィックパターンでラッピングしたデザインに。ギャラリーには、デザイン検討に使われた多数の「家型」の模型を元に製作した11個のオブジェを展示。会期中、販売も行う。
『Escher × nendo | Between Two Worlds』
〈ビクトリア国立美術館〉
180 St Kilda Rd, Melbourne, Australia 。~2019年4月7日。10時〜17時。12月25日休。28.00ドル。