バウハウスの申し子、アニ・アルバース展 | カーサ ブルータス Casa BRUTUS

バウハウスの申し子、アニ・アルバース展

バウハウスで学び、ナチス侵攻後、夫のヨセフとともにアメリカに渡ったテキスタイル作家、アニ・アルバース(1899–1994)。後世に多大な影響を残した彼女の業績を振り返る展覧会がロンドンで開催中。

1926年にデザインされた作品を、1965年にGunta Stolzl が織ったもの。コットン&シルク。
ネジの座金とリボンを使ったネックレス。1940年ごろのデザイン。このレプリカキットは館内ショップで購入できる。
Six Prayer(6つの祈り)と題された、ホロコースト犠牲者に捧げる6つのタペストリー。1966−67年制作。
1976年にプリント柄してデザインされたもの。現在、織物としてKnollで製造販売している。
1899年、ベルリンに生まれ、1922年、バウハウスに入学したアニ・アルバース。男女平等をうたった前衛的な美術学校ながら、女であるゆえに絵画や彫刻よりテキスタイルを推進されたという。それが運命的な出会いとなり、アニはテキスタイルを表現手法に、抽象絵画のような独自な作風を追求していく。この展覧会では、アニのエッセイ「デザインについて」「機織りについて」などを参照しながら、彼女の作品およびその教義を、時代を追いながら展示する。

バウハウスでのもう一つの出会いは、カンディンスキーやクレーなどの教授ほか、夫となるヨゼフ・アルバースだった。ナチス侵攻とバウハウスの閉校を機に、1933年2人はアメリカに移住。バウハウスに倣った実験的な芸術学校、ブラックマウンテン・カレッジで教鞭を取ることになる。この間、メキシコ、ペルー、チリなど南米諸国を旅し、収集したテキスタイルのコレクション、各種文献も展示されてる。親交の深かったバックミンスター・フラー との書簡なども見逃せない。

展示品は額に入れて飾るための小さな作品から、インテリア用の壁布、カーテン、またクリップやヘアピンなどを使ったアクセサリーなど、多岐に渡る。戦後も故国ドイツには帰らず、アメリカを終の住処としたアニ。ニューヨークのユダヤ博物館の依頼で制作したホロコースト犠牲者に捧げたタペストリーシリーズは、この展覧会のハイライトだろう。麻や綿、銀糸を使って織り上げられた鎮魂歌は、ユダヤ人であり、長年真摯にテキスタイルと向かい合ってきたアニならではの崇高な作品で、心を打つ。

『アニ・アルバース展』

〈Tate Modern〉
Bankside, London SE19TG。2019年1月27日まで。10時~18時(金・土〜22時)。12月24〜26日休館。18ポンド。

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