Good TOOLS For Me|愛用のガラスのコップを教えてください。 | ページ 3 | カーサ ブルータス Casa BRUTUS

Good TOOLS For Me|愛用のガラスのコップを教えてください。

『カーサ ブルータス』2018年8月号より

毎回3人のゲストに愛用の日用品を聞くコーナー。今回は日々の暮らしに欠かせないガラスのコップです。

戦前に多く作られたプレスガラスのコップ

高さ9cm程の小ぶりなサイズ。子どもが水を飲むのにもちょうどいい大きさで日々食卓に。記憶が曖昧だが〈而今禾〉で購入した気が。
プレスガラスのコップ、というものを初めて目にしたのは平松洋子さんの本の中だ。戦前に多く作られた、溶けたガラスを金型に流し込み成形した大量生産のプレスガラス。写真に写る少し無骨なその姿と、少々出来の悪いそのコップのことを愛しそうに語る平松さんの文章にズキュンと胸を撃ち抜かれ、ああ、こういうコップを手にしてみたいものだと憧れを募らせた。ある日訪れた骨董店の展示で大ぶりのプレスガラスのコップに出会い、予想以上の値段にひるみつつ、滑らかでない質感、濁りと気泡、「味があるなあ!」と、たまらない気持ちになりながら手に入れたのだった。残念ながら大好きだったそのコップは割れてしまい、今手元にあるプレスガラスのコップは小ぶりのものふたつ。朝薄暗い時間、西日の差し込む夕暮れ、鈍く光を反射し食卓に置かれた姿は良い佇まいで、ガラスにしろ陶器にしろ、機械製にしろ手作りにしろ、スーパークリーンなものより味のあるものが落ち着くんだよなあと自分の好みを再確認するのであった。

馬場わかな フォトグラファー

ばばわかな 好きな被写体は人物と料理。著書『人と料理』『祝福』、『まよいながら、ゆれながら』(文・中川ちえ)、『Travel Pictures』(著者・田辺わかな)などがある。

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