Good TOOLS For Me|愛用のガラスのコップを教えてください。 | ページ 2 | カーサ ブルータス Casa BRUTUS

Good TOOLS For Me|愛用のガラスのコップを教えてください。

『カーサ ブルータス』2018年8月号より

毎回3人のゲストに愛用の日用品を聞くコーナー。今回は日々の暮らしに欠かせないガラスのコップです。

ガラス作家・辻和美の《普通のコップ》

鮮やかな色や複雑なカットのグラスも発表する辻さんが、長年作り続けているグラス。飾り気のない形はどんな風景にも似合う。
日のようにグラスを出し、そこに注ぎますが、戸棚からコップを出すとき、ほぼ無意識に辻さんのコップに手を伸ばしていることに気がつきました。

何でもない透明の、コップと言えばこういうかたちという、誰もが想像するような普通のコップなのですが、どこかに他にない、グッとくる魅力があるのです。

その源泉はうまく言葉にできませんが、おそらくものがもつ単純な力が、あるかないかだと思います。そう考えると、流行り廃れも、ただ時代の表面的な変化にすぎなくて、そういうものを越えた「作る力」こそが、大切なのだと思えてくるのです。

サイズは幾つかありますが、この小さなサイズのものが気に入っています。ガラスなのに、柔らかな印象があり、アイスクリームを食べる時にも使っています。

三谷龍二

みたにりゅうじ 1952年福井県生まれ。長野・松本に工房開設。陶磁器のような普段使いの木の器で、木工の世界に新たな分野を開く。近著は『すぐそばの工芸』(講談社)。