古今東西 かしゆか商店【黒釉の輪花鉢】 | ページ 2 | カーサ ブルータス Casa BRUTUS

古今東西 かしゆか商店【黒釉の輪花鉢】

『カーサ ブルータス』2018年7月号より

日常を少し贅沢にするもの。日本の風土が感じられるもの。そんな手仕事を探して全国を巡り続ける店主・かしゆか。今回はうつわ特集に合わせた特別編と題して奈良の生駒へ。大好きな陶芸家、高島大樹さんの工房兼自宅を訪ねた。

やわらかな白と使いやすい形が特徴の粉引輪花皿いろいろ。2年前、かしゆか店主が初めて手に入れて愛用しているのもこのタイプ。
型でつくるうつわから絵皿まで、いろんな種類をつくる高島さん。型ももちろん自作です。「こんな皿をつくりたい」という強い気持ちが先にあり、その気持ちにぴったり寄り添う型ができるまで何度もつくり直すと教えてくれました。どのうつわもシンプルなのに存在感があるのは、いろいろ足したり引いたり熟考した末に生まれたシンプルだからなのかも。ひとつでもカッコいいし、ほかのうつわとの相性もよくて、どんなシーンにも合う強さがあるんです。
土を型に押しつけて成形した五寸輪花皿。
飯碗などはろくろでひく。
「大事なのは見えない部分の仕事。派手じゃなくていいんです。使っていくうちにジワジワよくなるうつわ、料理を足してちょうどよくなるくらいのうつわが好き」と高島さん。そうなんです。わかります。みんなが憧れるほど素敵なのに、日常的に使えてふつうの料理が映えるんです。そういえばご自宅の食器棚にも、ご自身のうつわがいっぱい。なかでも私は白釉のボウルに惹かれました。「フルーツ入りのヨーグルトにいいんですよ。ブドウ入りの日は紫色の匙、柿ならオレンジの匙というように、色のスプーンで楽しんでいます」と高島さん。常にご自分でも使っているから、うつわのかわいさを見つけられるんですね。
「とろんとした白がきれい。ブドウ色のスプーンも合いますね」とかしゆか店主。型で成形した白釉ボウルは、なめらかで気持ちいい。
さて、買い付けですが、今回はやっぱり輪花皿に決めました。まずは万能な四寸の粉引輪花皿。高島家ではこれに水を張って、野の花を飾っていたのが素敵でした。もうひとつは、煮物やサラダが似合う黒釉の輪花大鉢。こういう思い切った大きさのものがあると、食卓にメリハリがつきますよね。

英語版もあります!:Kokontozai: KASHIYUKA’s Shop of Japanese Arts and Crafts / [Black-glazed Petal Dish]
「何を食べるうつわなのか、想像しながら形を決めるのも楽しい」と高島さん。小ぶりの輪花楕円皿は「餃子のタレ用」、粉引の小皿は「酒のツマミの柿の種用」だとか。

高島大樹

Ceramics / Nara DAIKI TAKASHIMA
1965年京都生まれ。実家は京都で代々続く製陶所。料理店や割烹で使う食器を手がける経験も積んだ実力派。2001年に独立。奈良県に工房を構える。秋には高松の〈とうもん〉で個展。公式サイト 今回の買い付け 黒釉輪花大鉢。φ24×H10cm 10,000円、粉引輪花皿。豆皿(φ8cm)各2,000円、五寸皿各4,000円。

樫野有香(かしゆか) 

テクノポップユニットPerfumeのメンバー。8月にニューアルバム発売。9月にツアーがスタート。作家のうつわが好きで、SNSでも個展などの情報を熱心に収集中。公式サイト

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