「デザインあ展」を見に、富山へ。|青野尚子の今週末見るべきアート | ページ 3 | カーサ ブルータス Casa BRUTUS

「デザインあ展」を見に、富山へ。|青野尚子の今週末見るべきアート

「デザインあ展」は、Eテレで放送されている同名のテレビ番組の世界を三次元で楽しめる展覧会。もちろん見るだけでなく体を動かして遊びながらデザインについて考えることができる。

四面に映像が投影される「B 体感のへや」。4つの映像がループで流れるうちの《解散!》(岡崎智弘)。いろんなものが解散していく。
次の「B 体感のへや」は4面のスクリーンに囲まれる大迫力のスペース。番組のオープニング曲《『あ』のテーマ》、いろんなものの要素を解散(分解)する《解散!》、「紋」をモチーフにした《森羅万象》と続く。
「B 体感のへや」より《ガマンぎりぎりライン》(柴田大平)。ししおどしに水がたまるまではほとんど動かないが、一瞬で注ぎ口が下がってカーン!と音をたてる様子。
《ガマンぎりぎりライン》は、ある状態から別の状態に移行するときに徐々に変化するのではなく、ずっと変わらないように見えてあるとき突然、変化を起こす事象を扱ったもの。磁石をクリップに近づけるとある一定の距離まではクリップはほとんど動かないが、臨界点を超えて近づいたとたんに磁石に吸い寄せられる、といった現象が次々と現れる。その映像にもっともらしいコーラスがついていて、いちいち笑える。
体験コーナーのひとつ、「A 観察のへや」より《もんどころ》(佐藤卓デザイン事務所+NHKエデュケーショナル)。円と直線で描ける紋を自分で描いてみる。

ここでちょっと戻って《もんどころ》というコーナーに行ってみよう。「瓢」「梅」「三つ巴」「雁金」の4つの「紋」を自分で描けるコーナーだ。この4つの紋は正円と直線で構成されているので、定規とコンパスで手順通りに描いていくと完成する。このプロセスを映像化した「B 体感のへや」の《森羅万象》(高野光太郎)は、円と直線という基本的な要素で動植物などさまざまな紋を表現できることからつけられたタイトル。レオナルド・ダ・ヴィンチのスケッチ《ウィトルウィウス的人体図》も思い出させる。重なる正方形と正円の中に人体がぴったりと収まっている、という有名な絵だ。紋も人体もシンプルな要素でできている、ということなのかもしれない。
「C 概念のへや」より「くうかん」の全景。白一色でスケール感を強調。
最後は「C 概念のへや」。ちょっと難しそうなタイトルだけれど、さらに「くうかん」「じかん」「しくみ」の3つのテーマに分かれている。「くうかん」の始まりはいろいろな大きさの“入り口”。壁に大小さまざまの開口部があり、人や車、猫、鳥などそれぞれにちょうどいい大きさになっている。
「C 概念のへや」《ト〜〜イレ》(plaplax+齋藤雄介)。長ーいベッドに寝ている長ーい猫。
《ト〜〜イレ》というオブジェは机やトイレ、ベッドが長ーく引き延ばされたもの。毎日使うものをあり得ないプロポーションに変化させることで、ものが私たちの動作や目的にあわせてデザインされていることがわかる。
「C 概念のへや」より「じかん」の部屋。逆戻りする時間や時間の単位など、さまざまな時間の概念を時計とその下の映像で表す。
「じかん」は形もなく見ることもできない“時間”を私たちがどう認識しているのかを目に見える形にしたものだ。行ったり来たりする動作やフィルムを逆回しにしたような動き、スローモーション、ストップモーションなど、通常の時間の流れとは違う動きを映像化したもの、四季や一週間、一年といった時間の単位を表すもの、「まだ」「そろそろ」「いよいよ」など時間を表す言葉をグラフィック化した映像などが並ぶ。
「C 概念のへや」より《しくみ寿司》(パーフェクトロン+柴田大平)。ネタがルーレットで決まる「偶然寿し」など、「しくみ」がかみ合わない世界を表現。
「しくみ」はデザインのもとになるもののしくみを考えるコーナー。「しくみの観察」では「ならぶ」「まわる」といったものの振る舞いや、人がものを扱うときのさまざまなやり方を分類し、可視化する。《しくみ寿司》にはおなじみの「回転寿し」のほか「偶然寿し」「分岐寿し」などの暖簾が並んでいる。それぞれルーレットになった寿司カウンター(どの数字に球が入るかでネタが決まる)、分岐したレーンを寿司が流れていくカウンターだ。最後は観客が歯車になって別の歯車を回すと電球が光ったり音楽が流れる仕掛け。「社会の歯車になって、しくみを学ぼう」という目論見だ。
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