古今東西 かしゆか商店【白磁の急須】 | ページ 2 | カーサ ブルータス Casa BRUTUS

古今東西 かしゆか商店【白磁の急須】

『カーサ ブルータス』2018年4月号より

日常を少し贅沢にするもの。日本の風土が感じられるもの。自分自身が使いたいもの。そんな手仕事を探して全国を巡り始めた、店主・かしゆか。第一回は「九谷焼」の産地・金沢へ。伝統工芸士、森岡希世子さんの工房を訪ねた。

「魔法みたい…」と初めて見るろくろ作業に感激の店主。茶杯などの縁には、削りと磨きで微妙な反りやカーブがつけられていて、シャープなのに口当たりがとても優しい。
「魔法みたい…」と初めて見るろくろ作業に感激の店主。茶杯などの縁には、削りと磨きで微妙な反りやカーブがつけられていて、シャープなのに口当たりがとても優しい。
最初に見たときは、シャープで凛として、背筋がピンとのびるような美しさを感じました。でも、手にとると柔らかくて温かい。何よりすごいのは、光にかざすとうっすら透けるほど薄いことです。「釉薬はかけず、細かいサンドペーパーで丁寧に磨きあげて、マットな光沢を出しています」と森岡さん。これだけ薄いとお茶の色が染みるのではと聞いてみたところ、なんと浸透率0%! 汚れたら研磨スポンジで磨けるし、電子レンジでも使えます。森岡さんは「普段の生活に取り入れてほしいから」と話していましたが、私が探したいのも日常で使える器。もっといえば、この急須があるからお茶を淹れたくなる。お茶の時間が愛おしく思える。自分が今を大切にしていると感じられる。そういうものを探したい。

ろくろで成形するところも見せていただきました。土が、まるで生きているように動く姿に目が釘付け…。土ってこんなに柔らかいの!?とびっくりです。森岡さんは九谷焼を学ぶ際、絵付けではなく、ろくろだけを手がける「ろくろ師」の修行を積んだと聞いて、納得。すごいんですよ、蓋の小さなツマミまでろくろなんですから。
自然光がはいる場所でお茶を淹れて、うっすら透ける姿を眺めるだけで、いつもの自分からふっと離れられる。今回の買い付けは、そんな白磁の急須に決定です。

英語版もあります!:Kokontozai: KASHIYUKA’s Shop of Japanese Arts and Crafts / PORCELAIN

白磁の急須 作/森岡希世子 「光の呼吸」シリーズの後手急須(小)11,000円、茶杯3,000円。

もりおかきよこ・1974年金沢生まれ。デンマーク王国国民美術学校を経て石川県立九谷技術研究所修了。

樫野有香(かしゆか)

テクノポップユニットPerfumeのメンバー。日本の器や伝統工芸が大好きで、陶芸作家の個展に早朝から並ぶことも。3月14日には映画「ちはやふる-結び-」の主題歌「無限未来」リリース。 www.perfume-web.jp

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