名作が眠る、カルテルの博物館〈Kartellmuseo〉に潜入! | ページ 2 | カーサ ブルータス Casa BRUTUS

名作が眠る、カルテルの博物館〈Kartellmuseo〉に潜入!

今年もミラノサローネで新作に注目が集まった〈カルテル〉。そのハイライトとともにミラノ郊外にある、貴重な歴史が詰まった博物館のスペシャルリポートです。

1999年、ミラノ郊外にオープンした博物館〈Kartellmuseo〉。
カルテルの約5,000点のプロダクト、15,000点に及ぶ資料を収蔵。
1階から3階まで時系列でカルテルの歴史を辿ることができる。
未来に向けて先進的なプロダクトを世に送り出してきたカルテル。そのインスピレーションの基となっているのは、ほかならぬカルテル自身の足跡だ。60年以上に及ぶその歩みを辿ると、家具メーカーである以前にプラスチックを通して新たな生活文化を生み出した企業の存在を知ることになる。〈Kartellmuseo〉には創業時のプロダクトからフィリップ・スタルクや吉岡徳仁による最近の家具まで約5,000点に及ぶアイテム、さらに15,000点に及ぶ写真資料が収蔵されている。
最初の製品は、なんと自動車用のスキー板のラック《K101》。
黒いゴム状のコードと合わせてカールーフにスキー板を固定させるラックだ。
カルテルの歴史は1949年に遡る。第二次世界大戦が終わり、未来に希望を抱く若き化学エンジニアのジュリオ・カステッリはプラスチックという新素材を使って量産に適した日用品を開発しようとミラノでカルテル社を立ち上げた。当初は家具ではなく、増加するスキー旅行客の需要に応じようと車のルーフにスキー板を載せるためのラックを製造した。木や金属に比べて軽いプラスチック製はフランス、スイスなどのウィンタースポーツの盛んな地域で年間3万点売れるヒット商品となった。しかし、プラスチックの特性を生かした個性的なプロダクトが生まれるまでには、まだ時間が必要だった。
1950年代は水切り用のディッシュラック、バケツなど、家事を効率よく済ませるための実用品を数多く生産。イタリアの一般家庭に必ずカルテルのアイテムがあった
野菜の水切り用ざる、保温性タンブラーなど10年近く製造され続けたロングセラー商品。
初期プロダクトの数々をデザインしたジーノ・コロンビーニによるバケツと塵取り。塵取りは1955年から79年まで生産された。
1950年代半ばには子ども用の浴槽なども登場。
プラスチックは、溶かして金型に入れ、冷やし固めることで形が生まれる樹脂。英語で「造形」という意味であり、基本的に型さえあれば複雑な造形も可能だ。しかも量産ができる。カルテルはここに着目した。1953年に家庭用品部門を立ち上げると、軽量で手入れも楽なプラスチックの特性を生かしたバケツ、洗面器、台所用品などを製造し、当時の住宅の雰囲気を一気に明るくするとともに、家事を楽しいものにしてくれた。
カラーパリエーションを打ち出した1967年の広告。消費者へのイメージ伝達にもこだわっていた。
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