スティーブ・ジョブズに捧ぐ、アップル初デザイン本。ジョナサン・アイブ独占取材

アップルから『Designed by Apple in California』が発売される。アップルデザイン20年の歴史を、プロダクトの写真450点を通して語る公式の書籍だ。カーサは、アップルのチーフデザインオフィサー、ジョナサン・アイブを独占取材。構想8年、序文で“スティーブ・ジョブズに捧げる”と掲げた、その思いとは?

透明のポリカーボネートで覆われている《Power Mac G4 Cube》(2000年)。上記の写真は本体を逆さにしたもの。底面に備え付けられたハンドルで中身を引き出すことができ、内部へのアクセスが容易だった。

Q 20年間の軌跡を辿っていくと、新製品がよりシンプルになり、必ず何かが新しくなっていることに気づきます。

A 世の中のシンプルに見える製品の中には、その“シンプルさ”が異常なほど人工的で、単に形にこだわっているだけのものがあります。私たちが考える本当のシンプルさとは、製品のとても奥深いところにあります。シリコンがどのようにデザインされているか=どのようにシリコンが結合されているのか。そういったコアの部分です。たとえば、機械で動く内部の部品を取り払ってみたり、回転式のファンやハードディスクドライブを無くしてみたりしました。なぜならそれらは音がうるさいし、エネルギーをたくさん必要とする上に故障する傾向があるからです。内部の相互接続を減らすことも試しました。これらもまた不安定である上に、製造をする際には複雑さを伴うからです。

私たちがシンプルさを実践するにあたって、一番最後に着目するのが“外見”です。シンプルな外見は、不合理で短絡的な発想を隠すためにあるわけではありません。真にシンプルな製品は、それが何であり、何ができるのかを、強く明確に伝えられるものだと私は考えています。本の後半に載っているMacBookと、初期のノート型パソコンとを比べてみると、私たちがいかにこれまでの成果を取り込み、確固たるものとした上で究極にシンプルな製品を作り上げたことを見てとってもらえると思います。私たちは「他の選択肢はあり得ない」と思えるところまで突き詰めています。ただ、皮肉なことに、そう思えるようになるまでは苦労の連続ですが。

《MacBook》。

《Apple EarPods with Remote and Mic》。