土田貴宏の東京デザインジャーナル|深澤直人が引いた、工芸とデザインの“境界線” | ページ 3 | カーサ ブルータス Casa BRUTUS

土田貴宏の東京デザインジャーナル|深澤直人が引いた、工芸とデザインの“境界線”

デザイナーの深澤直人がディレクションし、〈金沢21世紀美術館〉で開催されている『工芸とデザインの境目』展。あえて1本の線を展示室に設定することで、工芸とデザインの関係を多方面からとらえている。

“コンツアーボトル”と呼ばれるコカ・コーラの象徴的なガラスのボトルと、日本では2015年にデビューしたアルミのスリムボトル。
さらに工芸とデザインの境界は、さまざまな要因によって変化する。現在流通しているコカ・コーラのアルミ製ボトルは、昔ながらのガラスのボトルを参照しながら、実用性や効率の向上が図られた。ガラスのボトルは本来はデザインの範疇にあったが、アルミのボトルの登場により相対的に工芸に近づいた。

3種類のワイングラスは、左からバカラ、リーデル、そしてジャスパー・モリソンがデザインしたアレッシィのもの。製造時に要する手仕事の量が違うだけでなく、バカラは王侯貴族のため、リーデルはワインを愛する人のため、アレッシィはより多くの人のためという違いがある。このように工芸とデザインの境界は、多様な方向から判断されている。
左からバカラ、リーデル、アレッシィのワイングラス。