古今東西 かしゆか商店【出西窯のカップ】 | ページ 2 | カーサ ブルータス Casa BRUTUS

古今東西 かしゆか商店【出西窯のカップ】

『カーサ ブルータス』2021年5月号より

日常を少し贅沢にするもの。日本の風土が感じられるもの。そんな手仕事を探して全国を巡り続ける、店主・かしゆか。今回出会ったのは、島根県出雲にある〈出西窯〉のうつわ。民藝の精神を今の暮らしに運ぶ、健康的で美しい焼き物です。

「土の温かみが手に伝わります」とかしゆか店主。
工房には民藝の陶芸家・河井寬次郎の「仕事のうた」。
「1から10までひとりでできるほうが、仕事は楽しい」と多々納さん。例えばこの日、《モーニングカップ》と呼ばれるマグカップをつくっていたのは28年目になる職人さん。さっそくリーチ直伝の手法「ウエットハンドル」で取っ手をつけるところを見せてもらいました。まず、水で濡らした手で粘土をひとかたまり掴み、軽く握りながら帯状にします。それをカップの側面にとめ付けたら、取っ手の表面に親指の爪を当ててシューッと線を引く。この線が入ることで、持ちやすく丈夫になるそうです。取っ手の上に尻尾みたいな“指置き”を足すのも特徴。あらかじめ形を整えておいた取っ手を付けるのではなく、一回一回、手の感覚だけでつくられていることに驚きます。
バーナード・リーチ直伝の技で取っ手をつける。
白化粧土の上に透明釉を掛けた優しい白や、出西ブルーと呼ばれる青など美しい色も魅力。
その後、併設の展示販売場に並んでいるカップを見て思いました。体格もクセも違う人たちが手でつくるのに、どうして同じ雰囲気のうつわができるんだろう!?
昭和41年から使い続ける登り窯で。
釉薬は天然素材で自家調合。
「全員が同じ空間の中で、常に隣の人の仕事を感じながらつくっているからかもしれませんね」

多々納さんの言葉の意味をじっくり考えながら、今回は白いモーニングカップを買い付け。見た目より軽く、指置きに親指をのせると、お茶がたっぷり入っていても手元がスッと安定します。その優しい姿と持ちやすさに惹かれ、毎日手に取ってしまいそうです。

モーニングカップ 作/出西窯

右/白掛地釉φ約9×H8.3cm。2,750円。左/キャットボウル 黒釉。H16cm。6,600円。●しゅっさいがま/島根県出雲市斐川町出西3368 TEL 0853 72 0239。展示販売場〈くらしの陶・無自性館〉も。火曜休(祝日は営業)。工房見学可能。

かしゆか

テクノポップユニットPerfumeのメンバー。「Perfume Closet」第5弾Phase2のアイテムが発売中。愛猫のアイテムは〈necoto〉で探す。www.perfume-web.jp
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