古今東西 かしゆか商店【八尾和紙の文庫箱】 | ページ 2 | カーサ ブルータス Casa BRUTUS

古今東西 かしゆか商店【八尾和紙の文庫箱】

『カーサ ブルータス』2021年3月号より

日常を少し贅沢にするもの。日本の風土が感じられるもの。そんな手仕事を探して全国を巡り続ける、店主・かしゆか。今回訪ねたのは、手漉き和紙の伝統が残る富山県の八尾町。丈夫な和紙に“型染め”で模様を施した文庫箱に出会った。

型染めの防染糊を置いた和紙を見て「鯉のぼりになるんですね!」とかしゆか店主。
工房の外は雪景色。
「こうしてから乾かせば“丈夫く”なる。濡れても破けません」と吉田さん。まだ湿っている和紙を指で触ってみたら、ひんやり冷たくてトゥルトゥル! 染み込んだこんにゃく糊がつくる、わずかな凹凸も感じました。
和紙の上から顔料を擦り込む色差し工程。
型染めした和紙を手裁断し、文庫箱(手紙などを入れる箱)に貼る。
次は乾いた和紙に「型染め」を施す工程です。紙の上に手彫りの型紙をのせ、もち米と米糠でつくった防染糊を置く。糊が乾いたところで赤や黄色の顔料を差すのですが、色止めに使うのは大豆を搾った呉汁。どの工程でも、食材や植物など自然のものが使われていることに驚きます。もうひとつ印象的だったのは、和紙の凹凸にまで顔料が染みるよう、ゴシゴシ音がするくらいしっかりとブラシで擦り込んでいたこと。強くて丈夫な紙だからできるんですね。
シンプルで鮮やかな染め色も八尾和紙の特徴。
こうしてできた和紙をハコにした「文庫箱」が、今日の買い付け品。いただいたお手紙などの紙モノを入れてもいいし、充電器やUSBの収納にもぴったり。幾何学柄や植物柄など模様の美しさはもちろん、わずかな凹凸のある和紙の手触りがとても心地いいんです。強さがつくる美しさ。触れるたびに励まされる気がします。

文庫箱 作/桂樹舎

右/文庫箱(中・市松華紋)26×19×6cm 5,000円。左/和紙クッション 37×33cm 8,000円。●けいじゅしゃ/富山県富山市八尾町鏡町668-4 TEL 076 455 1184。併設の展示館〈和紙文庫〉は10時~17時。月曜休(祝日の時は翌火曜休)。売店もあり。

かしゆか

テクノポップユニットPerfumeのメンバー。『Perfume COSTUME BOOK 2005-2020』発売中。「Perfume Closet」新作アイテムが今春より販売予定。好きな宿はバーも素敵な〈奈良ホテル〉。http://www.perfume-web.jp
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