【最速レポート】佐藤可士和が案内する『佐藤可士和展』のすべて。 | ページ 3 | カーサ ブルータス Casa BRUTUS

【最速レポート】佐藤可士和が案内する『佐藤可士和展』のすべて。

東京・六本木の〈国立新美術館〉で開催中の『佐藤可士和展』は、佐藤のキャリアのなかで最大規模の個展だ。会場構成から佐藤自身が手がけている本展、約30年の間に佐藤と彼が率いる〈SAMURAI〉が手がけてきた仕事の数々が、テンポよく、いくつもの驚きを伴って展開していく。作品はもちろん、展示手法も、現代の日本を代表するクリエイティブディレクターの本領発揮!  展覧会ってこんなに楽しいんだと思わせてくれるはず。佐藤自身の案内でこの展示を巡った。

『セブン-イレブン』セクション。床から天井まで壁一面がPB商品に埋め尽くされて圧巻。
商品パッケージについて細かな指示が書かれた設計書。これによってPB全体が統一感を持つ。
『ICONIC BRANDING PROJECT』のセクションは、目に触れるすべてをメディアととらえ、デザインを通して「アイコン」していくブランディングの手法を紹介する。

たとえば、セブン-イレブンのコーナーでは、クリエイティブディレクターとしてブランディングを手がけるセブン-イレブンのプライベートブランド(PB)のアイテムが文字通り空間を埋める。

「たとえばおにぎりは、僕がリブランディングに取りかかった当初はロゴがどこにもついていなかったんです。その他のPB商品も、パッケージデザインやロゴの位置などがバラバラ。そこですべての商品について、ロゴの大きさや位置、商品名の書体や大きさ、商品写真のとり方やレイアウトなどについてガイドラインをつくったんです。これによって全体に統一感が出て、各店舗の棚が美しく効果的に埋まっていく。現在のPBアイテムは4000以上。そのすべてに、ひとつのガイドラインがあることの意味を体感していただける空間です」
「日清食品関西工場」にある見学通路を彷彿させる赤一色の空間。右の壁には商品のステッカーがびっしり貼られている。実際に工場を見学した人たちはステッカーを壁に貼れるのだそう。
2014年にリニューアルをプロデュースすることで大ヒットに上り詰めた「カレーメシ」。展覧会場ではこれまで佐藤がディレクションを手がけたCMやムービーを並べて観ることができる。
『日清食品六十年史 SAMURAI NOODLES』(2018年)。創立60周年誌はなんとマンガ、しかもフィクション! 遊び心あふれた会社で羨ましくなってしまう。
続く日清食品のコーナーは、〈日清食品関西工場〉の見学通路を模した一面真っ赤な空間。見学工場で実際に流れているという製品製造工程を紹介するポップなムービーや、会社設立60周年誌として私出版したアメコミ調のノンフィクション(!)マンガ、子どもたちに圧倒的な人気のゆるキャラ、カレーメシくんなどが展示される。

「日清食品とは2011年にオープンした〈カップヌードルミュージアム〉の総合プロデュースを手がけて以来、長いお付き合い。社員に企業理念や商品価値を浸透させていくインターナルブランディングから丁寧に行った結果、かなり大胆で、遊びのあるプロジェクトを企業としても楽しんでつくれるようになっていった。インパクトの強いアイテムの数々はそうして生まれたものです」

●デザイナー目線での斬新な建築プロジェクトの数々

インバウンドの観光客も多い立地にある〈くら寿司 浅草ROX店〉(2020年)。昔ながらの江戸文化をモダンに昇華させた空間。
ほかにも『SPECIAL BRANDING』セクションでは、最近の佐藤の仕事の大きな特徴である建築プロジェクトを紹介。2020年から新たに始まったばかりの建築やインテリアの意匠登録のうち、国内で初めて登録が認められた〈くら寿司 浅草ROX店〉や〈ユニクロ PARK 横浜ベイサイド店〉を始めとするプロジェクトは、ブランド理念がそのまま空間として立ち上がったような作品揃いだ。
〈ALFALINK〉は進行中のプロジェクト。物流の新しいブランドで、佐藤がブランドコンセプト、ネーミング、ロゴデザイン、建築・空間デザインのディレクションを手がけている。会場ではタブレットでARを体験できる試みも。

●佐藤可士和のクリエイティブに通底するもの

水彩画の「アリ」と色紙のコラージュ「宇宙」はともに1975年、佐藤可士和少年、小学5年生の時の作!
初めて購入したMacを使ってつくった作品。当時のMacは非常に高価で、最初のボーナスを全部つぎ込んで購入したのだそう。
ところで、展示の入り口には小学校5年生(!)の佐藤による作品が展示されているのだが、それが展示最後にある最近のアートワーク『LINES/FLOW』と似通ったテーマを持っていることに気づくはず。佐藤可士和のクリエイティブに通底するものは、子どもの頃から揺るぎない。
最新のアートワークが集まる『LINES/FLOW』セクション。直線による構成と、自然界の有機的な動き。1975年の処女作と通底するものが……。
有田焼の産地商社「KIHARA」とつくる「DISMILLAR」シリーズ。一つの器のなかに静と動が同居する作品群。
さらに、7セクションを抜けると、この展示のためにパッケージからプリントまで新たにデザインしたUTが、オリジナル什器に並ぶ『UT STORE@THE NATIONAL ART CENTER, TOKYO』や、オリジナルアイテムが並ぶショップが待っているのだから舌を巻く。

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