土田貴宏の東京デザインジャーナル|「雑貨展」に見るセンスと批評性 | ページ 4 | カーサ ブルータス Casa BRUTUS

土田貴宏の東京デザインジャーナル|「雑貨展」に見るセンスと批評性

六本木の〈21_21 DESIGN SIGHT〉で「雑貨展」がスタート。多彩な出展者の視点を通して、雑多で複雑な“雑貨”のおもしろさを雑誌的に見せている。

昨年のミラノサローネでも注目を集めたオランダのWE MAKE CARPETSによる「Hook Carpet」。日本の100円ショップを訪れて購入したプラスチックのフックを、フロアにカーペットのように並べたインスタレーション。
「雑貨展」は、〈21_21 DESIGN SIGHT〉のこれまでの展覧会に比べて異色の内容と言っていい。過去に「コメ」「骨」「チョコレート」などのテーマがあったことを考えると、雑貨というテーマに不思議はない。しかし、そのテーマを専門家やクリエイターが系統立てて掘り下げるのではなく、より日常的で個人的な雑貨観がそれぞれに自由に表現されている。結果、おそらく美術館ではありえない、雑然としながらも楽しいエキシビションができあがった。

「欲しい」「触りたい」「要らない」など、ものに対するダイレクトな欲求や感情をこれほど呼び起こす展覧会は珍しい。その欲求は、1Fに開設した雑貨展コンセプトショップ「雑貨店」で部分的に満たすこともできる。
約半世紀前までは、雑貨とは荒物と同じ意味で生活道具を指していたという。谷中に直営店のある松野屋とデザイナーの寺山紀彦による「松野屋行商」は、リヤカーを使った明治時代の行商の姿を現代的に再現。

雑貨展

〈21_21 DESIGN SIGHT〉
~6月5日。

東京都港区赤坂9-7-6
東京ミッドタウン・ガーデン内。TEL03 3475 2121 10時~19時。火曜休。公式サイト

土田貴宏

つちだたかひろ  デザインジャーナリスト、ライター。家具やインテリアを中心に、デザインについて雑誌などに執筆中。学校で教えたり、展示のディレクションをすることも。

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