陶芸家・内田鋼一がつくった、萬古焼のミュージアム。 | ページ 2 | カーサ ブルータス Casa BRUTUS

陶芸家・内田鋼一がつくった、萬古焼のミュージアム。

食器から大型モニュメントまで、幅広い作風で知られる陶芸家、内田鋼一の次なるチャレンジはなんと私設美術館だった! ここまで踏み切った思いとは?

特徴ごとに仕切られた展示室。
Q どんな特徴がありますか?
萬古焼の発展は常に時代の産業とリンクしています。江戸時代から東海道の宿場町だった四日市には文人趣味やシノワズリーなどが伝わり、風雅な煎茶道具や急須が作られたのが江戸から明治にかけて。明治以降は海外輸出用の製作が盛んになります。四日市では、良質な土が採取しにくくなったため、試行錯誤の末、工業的に土を作るようになり、低温度で焼ける土も開発しました。低い温度だと、鮮やかな原色が生まれるのです。こうして発色のよさを生かした器や玩具などが作られました。そして最も特徴的なのが戦時中の代用陶器でしょう。金属の使用が制限された時代、琺瑯の洗面器ややかん、ガスバーナーまで萬古焼で作られたのです。

Q 北欧のストーンウェアを手がけたのも萬古焼のメーカーだそうですね?
はい。1970年代以降アメリカや北欧各国、ハビタやコンラン・デザインからの主に食器の注文製作を萬古焼の製陶所が手がけていました。鮮やかな釉薬やシンプルなデザイン性が世界的に認められていたのです。この美術館では萬古焼をこうしたいくつかの特徴ごとに区切ってわかりやすく展示しています。
手前には内田設計製作の陶製立礼台、奥には小上がりの空間も。
Q 美術館の建物について教えてください。
ここは60年前に建てられた古いビルで、1階には銀行が入っていたものの、閉店後何年も放置されていました。天井高3・6M、約120㎡という空間を美術館にするため、内装設計を小泉誠さんにお願いしました。萬古焼は歴史も浅く、骨董のお宝を見せるというよりはデザインの面白さやユニークさを知ってもらう場所にしたかったので、無垢の木や白い展示ケースを用いた軽くて明るいイメージに。美術館の入口手前にはカフェスペースを設け、コーヒーやケーキを楽しんでいただけます。また僕が萬古焼に限らず集めてきた古道具やオリジナルのスツールなども販売しています。

Q 今後の予定は?
年に2回春と秋に、やきものに限らず色やデザインにまつわる企画展をする予定なので、楽しみにしていてください。
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