デザインされる血、汗、涙。表現の可能性を探求し続けた、石岡瑛子の大回顧展。 | カーサ ブルータス Casa BRUTUS

デザインされる血、汗、涙。表現の可能性を探求し続けた、石岡瑛子の大回顧展。

パルコや資生堂などの商業広告から、オリンピックの衣装デザイン、マイルス・デイヴィス作品のアートワークに至るまで、多岐に渡るジャンルで世界のデザイン界をリードした石岡瑛子。東京都現代美術館で現在、彼女の大回顧展『石岡瑛子 血が、汗が、涙がデザインできるか』が開催中です。

石岡瑛子(1983年、Photo _Robert Mapplethorpe)©Robert Mapplethorpe Foundation. Used by permission.
展覧会のタイトルである「血が、汗が、涙がデザインできるか」とは、ある講演での彼女の発言から取られたもの。血や汗や涙といった自身の中で沸き立つ感情の熱気を、デザインを通して人々に伝えることを目指した石岡の姿勢を象徴する言葉だ。

本展はそんな彼女の長きに渡るキャリアを総括した、大規模な回顧展だ。会場は「Timeless」「Fearless」「Borderless」と3つのセクションで分けられており、年代別に彼女の活動の軌跡を辿る内容になっている。
ポスター『西洋は東洋を着こなせるか』(パルコ、1979年) アートディレクション
「Timeless」では、資生堂やパルコなどの広告デザインで活躍した初期作品を展示。高度経済成長を経て文化的成熟に向かった当時の社会に呼応するように、ジェンダーや国境、民族といった境界を越境するヴィジュアルを作り出し、新しい生き方を世に投げかけた。前田美波里を起用した資生堂ポスターや、70〜80年代のパルコ広告などが多数展示される。
映画『ドラキュラ』(フランシス・F・コッポラ監督、1992年)衣装デザイン©David Seidner / International Center of Photography
アルバム・パッケージ『TUTU』(マイルス・デイヴィス作、1986年)アートディレクション©The Irving Penn Foundation
映画『ミシマ―ア・ライフ・イン・フォー・チャプターズ』(ポール・シュレイダー監督、1985年) プロダクションデザイン Mishima ©Zoetrope Corp. 2000. All Rights Reserved. / ©Sukita
「Fearless」では、ニューヨークに拠点を移し世界を舞台に活躍し始めた中期の作品を中心に展示する。グラフィックデザインのみならず、衣装デザインやアートデザインといった新たな領域に挑戦し、自身の表現の可能性を押し広げていった。マイルス・デイヴィスのアルバム『TUTU』のジャケットデザインや、フランシス・フォード・コッポラ監督作品『ドラキュラ』の衣装デザイン、映画監督レニ・リーフェンシュタールとコラボレーションした展覧会の開催など、多彩な分野で活躍した彼女の作品を見ることができる。

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