モダンな焼き締めに釘付け! 鮫島陽 展@OUTBOUND|輪湖雅江の器とごはん
器は料理を盛ってこそ!ということで、人気作家の最新作を発表する個展に合わせて、作家本人にも料理を作ってもらっちゃおう…という無茶ぶり企画6回目。「炭化焼成」という手間のかかる技法でモダンな焼き締めのうつわをつくる若手作家、鮫島陽の工房を訪ねました。うつわ中心の500点が並ぶ個展は、10月2日から東京・吉祥寺の〈OUTBOUND〉で開催。
そろそろお昼、というタイミングでキッチンに立った鮫島。13歳からひとり暮らしを始めたそうで、よく手入れされた包丁や業務用の厨房機器を見ただけで料理好きなことがわかる。自分たちの畑で採れたコリンキーを切り、餃子の皮で餡を包み、肉味噌を炒める準備をして……テキパキテキパキ、その様子が清々しい。
ふと見ると、下準備した野菜を入れておくバット代わりにしているのは、瀬戸の陶芸家・キムホノのボウルや信楽の人気作家・山田洋次のスリップウェア。「好きなうつわをいっぱい使いたい。チャンスがあれば、たくさん使ってたくさん洗いたい。なので、作家のうつわも調理道具として惜しみなく使っています」。うつわの作り手である以前に、生粋のうつわ好きなのだ。
「料理も早くうつわにのせたい」と言いながら、汁鉢やプレートにどんどん料理を盛り付けていく。1枚ずつ肌合いが違うグレーとピンクのスープリム皿には水餃子。ぷりっとした皮に麹の旨味たっぷりの野菜餡。熱々のスープに、ゴマだれ、白髪ネギ、ラー油とレモンをかけていただくのが鮫島流で、これがもう、まいりました!とひれ伏したくなるおいしさだ。「スープとか麺類とか汁気の多い料理が好き」という鮫島が満を持して作った汁鉢は、女性の手にも大きすぎず、麺好きなら毎日手に取っちゃいそうなサイズ感。温野菜のサラダは、カリッと焦げたさつまいもにトローンと絡まるクリーミーなモッツァレラ。クミンやナツメグを効かせた味も食感もたまらない。
ふと見ると、下準備した野菜を入れておくバット代わりにしているのは、瀬戸の陶芸家・キムホノのボウルや信楽の人気作家・山田洋次のスリップウェア。「好きなうつわをいっぱい使いたい。チャンスがあれば、たくさん使ってたくさん洗いたい。なので、作家のうつわも調理道具として惜しみなく使っています」。うつわの作り手である以前に、生粋のうつわ好きなのだ。
「料理も早くうつわにのせたい」と言いながら、汁鉢やプレートにどんどん料理を盛り付けていく。1枚ずつ肌合いが違うグレーとピンクのスープリム皿には水餃子。ぷりっとした皮に麹の旨味たっぷりの野菜餡。熱々のスープに、ゴマだれ、白髪ネギ、ラー油とレモンをかけていただくのが鮫島流で、これがもう、まいりました!とひれ伏したくなるおいしさだ。「スープとか麺類とか汁気の多い料理が好き」という鮫島が満を持して作った汁鉢は、女性の手にも大きすぎず、麺好きなら毎日手に取っちゃいそうなサイズ感。温野菜のサラダは、カリッと焦げたさつまいもにトローンと絡まるクリーミーなモッツァレラ。クミンやナツメグを効かせた味も食感もたまらない。
食事が終わった後は、自作の急須や茶杯を使った台湾茶の時間。淡いグレーのなめらかなうつわに黄金色のお茶がよく映える。最近は茶道を習い始め、抹茶碗の見方も変わったと話す鮫島に聞いてみた。そもそもどうして陶芸家を目指したのか。
「父が大工で、その姿を見ていた影響なのかな、自分の手で何かをつくって売って生活するというイメージを昔から持っていました。でも陶芸家になろうと決めた瞬間はたぶん無くて、今もあんまり自覚がないかもしれない」。焼き物を始めて6~7年。うつわをたくさん作るようになったのもここ数年のことだ。
「世の中には陶芸家もいいうつわもたくさんあるのに、これ以上必要なのかなとも時々思います。でも人には、自分が好きになったものを身近に置いておきたいという気持ちが確かにある。海外だとその気持ちがアートに向くことが多いけれど、日本人はうつわや道具に想いを寄せやすいのかもしれない。だから、生活に必要な枚数はもう十分に持っていたとしても、さらに買ったり使ったり愛着を寄せたりする。もっと理解しようとして身近に置くんですよね」
「父が大工で、その姿を見ていた影響なのかな、自分の手で何かをつくって売って生活するというイメージを昔から持っていました。でも陶芸家になろうと決めた瞬間はたぶん無くて、今もあんまり自覚がないかもしれない」。焼き物を始めて6~7年。うつわをたくさん作るようになったのもここ数年のことだ。
「世の中には陶芸家もいいうつわもたくさんあるのに、これ以上必要なのかなとも時々思います。でも人には、自分が好きになったものを身近に置いておきたいという気持ちが確かにある。海外だとその気持ちがアートに向くことが多いけれど、日本人はうつわや道具に想いを寄せやすいのかもしれない。だから、生活に必要な枚数はもう十分に持っていたとしても、さらに買ったり使ったり愛着を寄せたりする。もっと理解しようとして身近に置くんですよね」
今、うつわを作ることが楽しくて仕方ない、と話す鮫島に「いいうつわって何だと思いますか?」と聞いてみたら、しばらく考えてこんな答えが返ってきた。「好きなうつわということじゃないでしょうか」と。
「同じうつわでも料理上手な方に使ってもらうとすごくカッコよくなるし、料理上手じゃなくても私のうつわをすごく好きだと言ってくださる方が使うと見違えるように美しくなる。使う方次第でうつわも変わる。だから、いいうつわと出会うためには、自分の好みを信じて買うこと。そして好みを探求し続けることが大事なんだろうなって思います」
「同じうつわでも料理上手な方に使ってもらうとすごくカッコよくなるし、料理上手じゃなくても私のうつわをすごく好きだと言ってくださる方が使うと見違えるように美しくなる。使う方次第でうつわも変わる。だから、いいうつわと出会うためには、自分の好みを信じて買うこと。そして好みを探求し続けることが大事なんだろうなって思います」