古今東西 かしゆか商店【和ろうそく】 | ページ 2 | カーサ ブルータス Casa BRUTUS

古今東西 かしゆか商店【和ろうそく】

『カーサ ブルータス』2020年4月号より

日常を少し贅沢にするもの。日本の風土が感じられるもの。そんな手仕事を探して全国を巡り続ける、店主・かしゆか。今回訪ねたのは琵琶湖をのぞむ町、滋賀県高島市。櫨の実を搾った蝋で手づくりする、近江の和ろうそくに出会った。

3代目の大西明弘さんと。「温度計も秤も使わず手の感覚でつくるんですね」とかしゆか店主。
蝋を素手ですくって塗り重ねる手掛けの技。
「季節ごとの室温や湿度によって、蝋の状態も仕上がりも微妙に変わるため、それを目と肌で読み取って調節する感覚が重要。季節を10回以上、つまり10年以上経験し、どんな環境でも同じようにつくれて初めて一人前なんです」
大阪の〈graf〉設計の店舗で。
ところで、上質な櫨の原価は、なんと洋ろうそくの20倍以上。お寺などで残ったものも買い戻し、溶かして再利用するそうです。なぜそんなに高価な櫨を使い続けるのか聞いてみたところ、「理想的なろうそくに一番適しているからだね。火を灯してみればすぐわかるよ」と3代目の大西明弘さん。促されて火をつけてみると……確かに炎が違う! いつも見ているキャンドルの炎とまったく違うんです。炎は大ぶりなのに暴れることがなく、ゆらゆら静かに揺らいでいます。
芯を切り出して完成。蝋の吸い上げを良くするため芯が太いのが特徴。
今回買い付けたのは、100%櫨の蝋だけでつくられた和ろうそく。うっすらグリーンがかったピュアな色や、煤が出にくく部屋が汚れないことも魅力的だけれど、それ以上に、普段の暮らしに「炎を見つめる時間」を取り入れられるのがうれしい。和ろうそくの静かな火には、心を穏やかにする力があるようです。

櫨ろうそく 作/大與

右/櫨ろうそく・3号 135mm、約70分。1本300円(p.180のろうそく立ては別売り)。左/米ぬかの蝋を使った米ぬかろうそく・まめ45mm、約15分。10本入り。1,100円。●だいよ/滋賀県高島市今津町住吉2-5-8 TEL 0740 22 0557。9時~17時。土曜・日曜・祝日休。

かしゆか

テクノポップユニットPerfumeのメンバー。今年で結成20年。5月23日開催のメトロックフェス@新木場・若州公園に出演。京都では明治~大正の古い照明を探すことが多い。www.perfume-web.jp
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