サポーズデザインオフィスが考える自由なキッチンとは。 | ページ 2 | カーサ ブルータス Casa BRUTUS

サポーズデザインオフィスが考える自由なキッチンとは。

2018年の出展でアジア企業として初めて「ミラノサローネ・アワード」を受賞した〈サンワカンパニー〉。今年は出展会場を新たに、空間提案に力をいれたキッチンを発表する。デザイナーの一組として出展するのは、サポーズデザインオフィスだ。

「サンワカンパニーはイノベーティブな会社であると以前から感じていたので、依頼にワクワクしました」と言う吉田。
それを受け谷尻は、「同じ水回りでも、料理を作ればキッチンで、歯を磨けば洗面所です。でも小さなアパートでそれらは同じ場所で行われますよね」と指摘する。

「僕たちはよく “行為が空間に名をつける” と言っています。人がどう関わるかで空間はその意味を変えてしまう。僕らの建築って古い民家のようなものなんです。ちゃぶ台を出せば食卓になり、布団を敷けば寝室になる。機能を分けずにおおらかでありたいんですね。今回のキッチンもそれを踏襲したものになっています」

話を聞くほどにどんなキッチンであるか期待が高まるが、今回はミラノでの発表までスケッチなどの発表も控えるという。「今回は抽象化された物体としてキッチンを考えました」と、吉田は笑ってヒントを伝えてくれた。
代々木上原にあるサポーズデザインオフィスの事務所。事務所内に併設された〈社食堂〉は一般に開かれた食堂でもある。
社員が食堂として使うだけではなく、ミーティングスペースとしても使われている。使い方は自由。壁は定期的に作家を招き、ギャラリーとして一般に公開。
〈社食堂〉ができたことでスタッフで食事をとる機会も増えた。仕事柄忙しくて不規則になりがちな生活そのものを見つめ直すきっかけにも。
「なにより食があると自然と人が集まります。私自身、事務所に〈社食堂〉ができたことでライフスタイルが変わりました。食事を作ることで私自身の根本を見つめ直すことができたし、人とのコミュニケーションのあり方も変わってきました」と吉田。

〈サンワカンパニー〉にはキッチンのほか、洗面、建具、フローリングやタイルなど、住空間を構成する建材が豊富に揃う。サポーズデザインオフィスでも普段から、サンワカンパニーのキッチンやタイルなどをクライアントに提案することが多いという。今回の展示では、こうした商品とともにコンパクトキッチンを中心とした住環境の可能性を提案する。

「こういうものがあったらいいよね、という提案に企業側がどう応えてくれるか。僕たちはその反応に企業の可能性を感じます。〈サンワカンパニー〉はどんな提案に対しても前向きで、いっしょに実現の可能性を考えてくれます。なので今回もいいものができていると思います」と自信を覗かせる谷尻。まもなく発表されるキッチンに、世界が注目する日も近い。

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