古今東西 かしゆか商店【寄木細工の小箱】 | ページ 2 | カーサ ブルータス Casa BRUTUS

古今東西 かしゆか商店【寄木細工の小箱】

『カーサ ブルータス』2019年10月号より

日常を少し贅沢にするもの。日本の風土が感じられるもの。そんな手仕事を探して全国を巡り続ける、店主・かしゆか。今回訪ねたのは神奈川県小田原。さまざまな色の天然木を「寄せて」「組んで」モダンな柄をつくる寄木細工と出会った。

伝統工芸士の露木清勝さんと。
白いミズキの三角柱と黒い神代桂の木片を組み合わせる麻の葉模様。
伝統工芸士の露木清勝さんと。
白いミズキの三角柱と黒い神代桂の木片を組み合わせる麻の葉模様。
「木を接着することを“寄せる”と言うんです。だから寄木細工。様々なパーツを寄せて模様を組んだら、断面をカンナで0・1mmほどの薄さに削ります」

そう話しながらカンナをかけた瞬間、ひゅるひゅるひゅるっと幾何学模様の削り片が現れました。透けるほど薄くてとてもきれい。この緻密な模様がすべて「木片」を繋いだものだなんて!

「いわば削りクズですが、我々職人は“ズク”と呼ぶ。クズじゃないのでね。この薄いズクを木製の箱や盆の表面に貼って製品に仕上げるのが特徴です。寄木の技法はピラミッド埋葬品から正倉院御物まで古今東西で見られますが、ズクを使うのは小田原と箱根だけ」
ズクを手にしたかしゆか店主。「透けるほど薄いのに、木の質感は残るんですね」。
オリジナル柄も試作中。
ズクを手にしたかしゆか店主。「透けるほど薄いのに、木の質感は残るんですね」。
オリジナル柄も試作中。
天然の木の色を生かすことも特徴で、白はミズキ、黄色はニガキ、黒は2000年以上地中に埋もれていたという貴重な神代木。

「伝統柄でも、白や黒のグラデーションだけで組めば違う印象になったりする。木の色と柄の組み合わせ次第ですね。無限大とはいきませんが、新しい模様が生まれる可能性はまだまだあるんです」

今回買い付けたのは、カラフルな配色が魅力の小箱。縁起のいい麻の葉模様です。そしてよく見ると、パーツの繋ぎ目にわずかな隙間があったりして、その小さなズレが愛しくてしょうがない。細かな部分まですべて、手で寄せて組んだことが伝わってくるのです。

五寸小物入れ  作/露木木工所

麻の葉模様の小箱。幅16×奥行き11×高さ6cm、4,000円。下/小さな菱形の蓋付き小箱「合子」を、色柄違いで3つ。幅7×奥行き4×高さ2cm、各4,800円。つゆきもっこうじょ/寄木ギャラリーツユキ 神奈川県小田原市早川2-2-15 TEL 0465 22 5995。

かしゆか

テクノポップユニットPerfumeのメンバー。初のベストアルバム『Perfume The Best“P Cubed”』が9月18日に発売され大好評。今欲しいのは愛猫リヨンのキャットタワー。www.perfume-web.jp