古今東西 かしゆか商店【南部鉄器の鉄瓶】 | ページ 2 | カーサ ブルータス Casa BRUTUS

古今東西 かしゆか商店【南部鉄器の鉄瓶】

KASHIYUKA’s Shop of Japanese Arts and Crafts

日常を少し贅沢にするもの。日本の風土が感じられるもの。そんな手仕事を探して全国を巡り続ける、店主・かしゆか。今回は400年の歴史をもつ東北の工芸・南部鉄器を訪ねて岩手県の盛岡へ。鋳型から手づくりする美しい鉄瓶を探した。

炭火の上で鉄瓶を手早く回しながら漆を塗り、しっかり焼き付ける。
漆と鉄粉を練り合わせたものを塗って水漏れを防ぐ。
「鋳型から取り出した鉄瓶は、約900度の木炭の中で焼いて内側に黒錆を付ける。南部鉄器に赤錆が付きにくいのは、この黒錆が被膜の役目を果たすためです」

最後は炭火で鉄瓶を熱しながら、表面に漆を焼き付けて仕上げます。見える部分にも見えない部分にも同じように手間をかけるからこそ、錆びず、美しく、長持ちする鉄瓶ができるのでしょう。
「蓋のつまみが梅や鈴など凝った形なのも素敵」とかしゆか店主。
漆の焼き付けにはクゴの草の刷毛を使う。
今回選んだのは“尾垂れ”(おだれ)と呼ばれる伝統的なデザイン。蓋のつまみは松ぼっくりの形です。

「鉄瓶の形は全部で200種類ほど。祖父の代から続いているものもあれば、時代時代の職人が考えたものもあります。どれもデザイナーがつくった形ではなく、自然に生まれ、残ってきた形です」

実はIHコンロで使えるのもうれしい。昔の知恵が詰まった鉄瓶は、現代の暮らしにも合う普遍的な美しさを備えています。

鉄瓶 作/釜定

右/”尾垂れ”という伝統的デザインの鉄瓶。直火でもIHでも使える。38,500円。左/南部鉄器の洋鍋。取っ手を外せばオーブンも可能。グラタンやアヒージョに。5,500円〜。かまさだ/岩手県盛岡市紺屋町2-5 TEL 019 622 3911。9時〜17時30分。日曜休。

かしゆか

樫野有香(かしゆか) テクノポップユニットPerfumeのメンバー。好きな現代美術作家は杉本博司。9月18日にベストアルバム「Perfume The Best “P Cubed”」を発売。2020年2月より大規模な全国4大ドームツアーが決定している。www.perfume-web.jp

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