日本のモダンデザインの源流を探るSIGNの新スペース。|土田貴宏の東京デザインジャーナル | ページ 3 | カーサ ブルータス Casa BRUTUS

日本のモダンデザインの源流を探るSIGNの新スペース。|土田貴宏の東京デザインジャーナル

フランスのハイエンドなヴィンテージ家具を扱うギャラリーとして国内外で知られる広島の〈GALLERY - SIGN〉。東京にオープンした彼らの新しいスペースは、日本のモダンデザインの未知の魅力を掘り起こす。

ギャラリー内では坂倉準三に関する資料も閲覧できる。
〈GALLERY - SIGN〉が制作する冊子。最新号は坂倉準三をテーマに、彼が手がけた建築や貴重な家具を紹介。
〈GALLERY - SIGN〉は、フランスの家具を数多く扱う一方で、オープン当初から日本の近代建築やモダンデザインに関する資料を収集し、坂倉が手がけた現存する公共建築のほとんどに足を運んできた。また坂倉事務所の元所員など当時の状況を知る人々からも、積極的に話を聞いているという。

「パリやニューヨークのヴィンテージ家具のギャラリーも、こういう活動を草の根的にやっていて、きちんと情報を発信しています。僕らはそれを日本でやっていきたい。日本のモダンデザインは海外でも注目されつつありますが、正確な情報が行き渡っていないという課題があります。この展覧会では、坂倉準三をテーマにしたフリーペーパーを作り、今まで集めてきた文献も公開(アポイント制)しています」
羽鳥市庁舎 photo_ Yoshiyuki Mizoguchi
山口博物館 photo_ Yoshiyuki Mizoguchi
岩手放送 photo_ Yoshiyuki Mizoguchi
岐阜市民会館 photo_ Yoshiyuki Mizoguchi
渋谷計画 photo_ Yoshiyuki Mizoguchi
上野市庁舎 photo_ Yoshiyuki Mizoguchi
出光興産広島給油所 photo_ Yoshiyuki Mizoguchi
市村記念館 photo_ Yoshiyuki Mizoguchi
〈GALLERY - SIGN〉では今後、ル・コルビュジエとともにインドのチャンディーガルの都市計画を手がけたピエール・ジャンヌレの家具や、イサム・ノグチと剣持勇という同時代を生きたふたりにフォーカスする展覧会を予定。ジャンヌレ展も、チャンディーガルの完成当初に現地を訪れた丹下健三ら日本人建築家の足跡を調べるなど、新しい切り口を構想している。

自国のミッドセンチュリー・デザインの価値が、美術館やオークションで高く認められる欧米に比べ、日本での再評価の取り組みは十分でない。近代建築を保存する動きはあるが、内部のインテリアや家具は残されないこともある。その点で、〈GALLERY - SIGN〉のように地道な活動は重要だ。新しいギャラリーでは、歴史に裏づけられたアイテムを、ミニマルなホワイトキューブをきわめた空間で組み合わせて見せていく。それほど広いスペースではないが、これから担おうとする役割にはとても大きな意義がある。

〈GALLERY - SIGN〉

東京都港区六本木6-6-9 ピラミデビル4F。11時〜18時。日曜、月曜、祝日休。 TEL 03 6812 9136。

土田貴宏

つちだたかひろ  デザインジャーナリスト、ライター。家具やインテリアを中心に、デザインについて雑誌などに執筆中。学校で教えたり、展示のディレクションをすることも。

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