古今東西 かしゆか商店【讃岐かがり手まり】 | ページ 2 | カーサ ブルータス Casa BRUTUS

古今東西 かしゆか商店【讃岐かがり手まり】

『カーサ ブルータス』2019年6月号より

日常を少し贅沢にするもの、日本の風土が感じられるもの。そんな手仕事を探して全国を巡り続ける、店主・かしゆか。今回はかつて讃岐国と呼ばれた香川へ。美しい木綿糸から生まれる郷土玩具「讃岐かがり手まり」の工房を訪ねた。

土台は籾殻と紙でつくる。伝統工芸士の荒木永子さんと。
ピンクは紅花、黄色は苅安で染める。緑は藍と苅安を重ね染め。
土台は籾殻と紙でつくる。伝統工芸士の荒木永子さんと。
ピンクは紅花、黄色は苅安で染める。緑は藍と苅安を重ね染め。
「同じ模様も色の合わせ方で表情が変わります」という荒木さん。こんなに緻密なのに図面はなく、頭の中のイメージに従って手を動かすだけなんですって。まるで魔法の手が動いているようです。

「細かい模様を刺し続けると、針先との摩擦で親指の爪が削れてしまう。でも、ひと針ずつ丁寧にかがることで無心になれるんです」
「ふわっと軽くて優しい手触り。ずっと眺めていられます」とかしゆか店主。
ひと針ずつ糸の張りを確かめて幾何学模様をかがる。
「ふわっと軽くて優しい手触り。ずっと眺めていられます」とかしゆか店主。
ひと針ずつ糸の張りを確かめて幾何学模様をかがる。
驚いたのが、何度か“やり直し”をしていたこと。少しでも糸のねじれや張りが気になったら、その都度、糸を抜いて刺し直したり、針ですくって張り具合を直したり。ひとつに1か月かかる作品もあるという手間はすべて、「よりきれいにつくるため」なんですね。

今回の買い付けは、色とりどりの花が92個重なる「交差花」の手まりに決めました。色は優しく模様は緻密。でも糸が交差して浮き上がっている部分には、木綿糸の力強さも感じます。手間から生まれる美しさ。日本の針仕事って尊いな、と改めて思います。

讃岐かがり手まり 作/荒木永子

右は荒木の作。「92交差花」円周30cm(直径9~10cm)35,000円~。左は保存会のつくり手の作。「交差花」円周20cm 10,000円~。
あらきえいこ/讃岐かがり手まり保存会 香川県高松市観光通2-3-16 TEL 087 880 4029。

かしゆか

樫野有香(かしゆか) テクノポップユニットPerfumeのメンバー。全国アリーナツアーの映像作品『Perfume 7th Tour 2018「FUTURE POP」』が好評発売中。九州の郷土玩具にも注目。www.perfume-web.jp