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【新連載】余宮隆展@千鳥|輪湖雅江の器とごはん

器は料理を盛ってこそ! ということで、人気作家の最新作を発表する個展に合わせて、作家本人に料理も作ってもらっちゃおう…という無茶ぶり企画が始まります。

余宮の器は、まず形がいい。使うとなおさらいい。シンプルという言葉とはちょっと違って、強い力があるしクセもある。でも料理を盛った瞬間にそのクセがスーッと引いて料理が主役になる。

色も質感も素敵。たぶん釉薬の掛け方と焼き方にヒミツがある。“ビードロ” と呼ばれるガラス質の溜まりがなんともいえず美しく、眺めていると吸い込まれそう。登り窯で焼成する際、一般的な唐津焼は12~13時間焼くところを、余宮がかけるのは27時間。釉薬をとろとろに溶かし、長く時間をかけて焼き抜くことで独特の質感をつくるのだ。
何重にも重なった釉薬が銀河みたいな〈宇宙〉シリーズ。左・木の葉皿(S)6,000円 右・輪花四寸皿(直径12cm)3,000円
型を使った定番シリーズ。木の葉皿(L)30,000円。個展には飴釉タイプを出品。
口当たりが抜群にいいマグカップは売り切れ必至。キュノワール鎬マグ5,000円、飴釉鎬マグ4,000円、白濁釉鎬マグ4,000円など。
工房に飾られていた粉引壺。「独立したころに電気炉で焼いた。ヒビが入ったものの形がよかったので大事にしています」
動物好き、特に馬が好きだという余宮の絵付け作品。馬鉄絵台形鉢27,000円。個展では前期に出品。
実家が商売をしていたので、小さい時から料理は自分でつくって食べて…という日常を送っていた。腕もセンスもよく、身内には料理人になると思われていたらしい。そこに加えて、最初に弟子入りした〈隆太窯〉でも最初に教わったのは料理。「器は料理のためのもの。まずは料理を知るべし…というのが中里先生のやり方でした。包丁の研ぎ方や刺身の切り方からみっちり習い直し、器作りより先に料理の腕が上がったと思う」と余宮。
工房から車で10分ほどの場所にあるギャラリー兼自宅は、農協の事務所をリノベした建物。キッチンも夫婦で調理しやすいように改装した。
「料理はほとんど毎晩つくっている」と余宮。
キッチンの棚には自作の蓋付き容器(右端/塩が入ってた)も。
色鮮やかな野菜はチキンとあわせて深めの器に盛り付ける予定。
普段使いの器をおさめた食器棚。棚の上には知人の木工作家からもらった木のオブジェ。
器をつくる脳ミソと料理の脳ミソは一緒だと話す。「足したり引いたり、素材を見てから何をつくろうと考えたり。あとは火加減が大事なところも一緒ですね。思い描いた器の姿によって窯を使い分け、料理によって鍋やフライパンを使い分ける。その場数を踏むことで、火の加減もコントロールできるようになる。どちらも、下ごしらえの時点からゴールは見えているんです」

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