BIRDS IN PARADISE
鳥とジュエリーの
ファンタジックな物語。
ファンタジックな物語。
- photo_Masaki Ogawa(exhibition)
- text_Mari Matsubara
サイエンスとアートの
狭間を楽しむ展示
創作のモチーフとしてジュエラーの創造性と技術を刺激し続けてきた「鳥」。両者の関係性をジュエリーと剥製、博物図譜などを通じて見つめる展覧会『極楽鳥』が〈インターメディアテク〉にてスタートした。
学術的な探求が
ジュエリーデザインに
どう影響を及ぼしたか
フランスのハイジュエラー、ヴァン クリーフ&アーペルの支援により開校した「レコール
ジュエリーと宝飾芸術の学校」と東京大学総合研究博物館が共同で開催する展覧会『極楽鳥』。宝飾品と鳥の剥製標本や図譜などを見比べながら鑑賞することで、鳥の造形が宝飾芸術にどのように表象されてきたかを読み解く展覧会だ。
「空を飛び交い、色鮮やかで、様々な意匠をまとい、魅惑的にさえずる鳥は、人間にとってはあらゆる生物種の中でこの世のもの以上の特別な存在だったといえます」(大澤啓/キュレーター、東京大学総合研究博物館特任研究員)。だからこそ鳥の姿はジュエリーデザインに頻繁に取り入れられた。
会場は「夜の鳥」「朝の鳥」「昼の鳥」「ファンタジーの鳥」と章立てされ、主に19世紀半ばから20世紀半ばに製作されたジュエリーと、剥製や図譜の間を自由に行き来して鑑賞することができる。フクロウ、クジャク、ツバメ、ハチドリ、フラミンゴ……羽の色彩や飛翔する姿、羽毛の柔らかさをどのように硬い貴石や金属で表現するか、その発想と技巧にため息が出る。と同時に、創作の源泉であった自然の生物そのものが、人知を超えた驚異の美しさを備えていることにも気づかされる。
「ハチドリをモチーフにしたと明らかにわかるジュエリーがある一方で、どの鳥を写したのか特定できないものがほとんどでした。綺麗な色、長いくちばし、尻尾など、魅力的なパーツを組み合わせてジュエリーに仕立てたのでしょう」(松原始/キュレーター、東京大学総合研究博物館特任准教授)
Information
- インターメディアテク開館10周年記念
特別展示『極楽鳥』 - 東京・丸の内〈KITTE〉にあるミュージアム〈インターメディアテク〉にて、5月7日まで開催されている。
●東京都千代田区丸の内2-7-2 KITTE インターメディアテク3階。TEL 050 5541 8600。11時~18時(金・土~20時)。月曜休。入館無料。 - www.intermediatheque.jp
主催: 東京大学総合研究博物館+レコール ジュエリーと宝飾芸術の学校
協力: 山階鳥類研究所
協賛: ヴァン クリーフ&アーペル
企画: 東京大学総合研究博物館インターメディアテク寄付研究部門+東京大学総合研究博物館国際デザイン学寄付研究部門