帝国ホテル・ライト館も舞台に!? 杉本博司&千宗屋は、明治村でどんな茶会を開いたのか? | ページ 2 | カーサ ブルータス Casa BRUTUS

帝国ホテル・ライト館も舞台に!? 杉本博司&千宗屋は、明治村でどんな茶会を開いたのか?

開村50年を記念して、明治村の名建築を利用しての歴史ある茶会。そのコンセプトや様子をリポートします。

日比谷から明治村に移築された帝国ホテル・ライト館の空間で行われた杉本の茶席。杉本いわく、「ライトの追善茶会」。椅子に座ってお茶をいただく「立礼」で行われ、千宗屋デザインの立礼卓《天遊卓》が使われた。
千の茶席が過去から未来を望むものなら、杉本の茶席は未来と過去を自在に行き来するものだ。杉本は今回、F・L・ライト設計の旧・帝国ホテル中央玄関を舞台に立礼席を設けた。青竹をかたどった雨樋や焼夷弾を花入に見立て、すだれ煉瓦でできた壁面には、ライト設計の代表作、NYグッゲンハイム美術館を写した杉本の建築シリーズ作品が軸の代わりに飾られている。

「時空を自由に飛び交えるのが茶の湯であり、こんなに面白いことはない」と杉本。

桃山時代の茶の湯の自由な精神が現代の茶人たちによりここ明治村で再現され、野外博物館で余生を送る名建築に、新たな生命を吹き込んだ瞬間だった。
寄付に置かれた花入は、杉本が靖国神社の骨董市で入手したという焼夷弾。この時期最も高貴な花と言われる大山蓮華との対比が「生」を強烈に感じさせた。
杉本自作のヴェネチアングラス製の茶碗。

杉本博司

すぎもとひろし 1948年東京都生まれ。現代美術家。写真を手段として時間、歴史、観念をテーマにした作品を発表。近年では自ら主宰する設計事務所〈新素材研究所〉で建築を手がけるほか、文楽や能など日本の伝統芸能のプロデュース等も手がける。
帝国ホテル中央玄関
第四九回 明治村茶会
今回紹介の茶会は、2015年4月18日、19日に開催されたもの。西園寺公望別邸〈坐漁荘〉は1920年、政治の第一線を退いた西園寺が静岡県清水市に建てた純和風家屋。帝国ホテル中央玄関はフランク・ロイド・ライト設計で1923年竣工。東京・日比谷から76年に移築。

〈博物館明治村〉

愛知県犬山市字犬山1番地 TEL 0568 67 0314。9時〜17時。時間・休村日は要確認。入村料1,700円。公式サイト