CULTURE
NY映画で引っ張りだこの美術監督、アレクサンドラ・シャラーって誰?
January 21, 2017 | Culture | casabrutus.com | text_Mikado Koyanagi editor_Yuka Uchida
この冬公開の映画『マギーズ・プラン 幸せのあとしまつ』や、Netflixで好評配信中の『ゲットダウン』。時代背景は異なりながらも、どちらもインテリアやスタイリングが素晴らしいニューヨーク映画。そのどちらにも美術監督としてクレジットされているのがアレクサンドラ・シャラー。彼女の仕事の魅力とは?
アレクサンドラ・シャラーは、『フランシス・ハ』で日本でも知られるようになったグレタ・ガーウィグ主演の『マギーズ・プラン 幸せのあとしまつ』や、ヒップホップの黎明期を描いたNetflixの『ゲットダウン』などで活躍する、今をときめくプロダクション・デザイナー(映像作品における美術監督)だ。
彼女は、チェルシー・カレッジ・オブ・アーツなどで現代美術を学んだ後に映画の世界に入るのだが、何とそのきっかけは、ウェス・アンダーソンの『ファンタスティック Mr. FOX』だったそうだ。その時のことを、彼女は次のように回想する。「映画の世界観を創り出すのは非常に細やかな仕事だったけど、創り出したミニチュアの世界が大きなスクリーンに映し出されるのを観るのはとても面白かった」
それから、前述の2作のほかに、アイラ・サックス監督の傑作『リトル・メン』(第29回東京国際映画祭で上映)など、話題作を次々と手掛けるのだが、時代背景やロケーションは異なれど、そのどれもがニューヨークを舞台にした作品になっているのは興味深い。
彼女は、チェルシー・カレッジ・オブ・アーツなどで現代美術を学んだ後に映画の世界に入るのだが、何とそのきっかけは、ウェス・アンダーソンの『ファンタスティック Mr. FOX』だったそうだ。その時のことを、彼女は次のように回想する。「映画の世界観を創り出すのは非常に細やかな仕事だったけど、創り出したミニチュアの世界が大きなスクリーンに映し出されるのを観るのはとても面白かった」
それから、前述の2作のほかに、アイラ・サックス監督の傑作『リトル・メン』(第29回東京国際映画祭で上映)など、話題作を次々と手掛けるのだが、時代背景やロケーションは異なれど、そのどれもがニューヨークを舞台にした作品になっているのは興味深い。
彼女は、それはあくまで偶然だとしながらも、その理由を、「ニューヨークという街自体が登場人物になれるくらいアイコン的な場所だからだと思う。ニューヨークのクールなところは、街が特徴的で、歴史が深く、たくさんの異なる顔を持っているところ」と説明する。確かに彼女は作品毎に、まさに変幻自在の仕事を見せてくれる。しかし、そのどれもが、実際にニューヨークに暮らす人間ならではのリアリティと、現代美術出身のアーティスティックな感覚に貫かれているのだ。そして、それこそが彼女の仕事の魅力だ。
そんなアレクサンドラが手掛けた、『マギーズ・プラン 幸せのあとしまつ』がいよいよ日本でも公開となった。この作品もまたニューヨーク映画だ。グレタ・ガーウィグ演じるマギーという女性が、妻子持ちの文化人類学者ジョン(イーサン・ホーク)と恋に落ち、ジョンはマギーと再婚することになる。ところが、マギーは彼が元妻ジョーゼット(ジュリアン・ムーア)と暮らした方がお互いにとって幸せになれる方法だと考えを改め、何と彼らを元サヤに収めるためあれこれ画策するというコメディなのだ。そして、彼らが暮らす部屋のインテリアが、三者三様、実に魅力的なこと。
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