CULTURE
知られざる仲條正義が詰まった口述自叙伝。
『カーサ ブルータス』2022年4月号より
March 27, 2022 | Culture, Design | a wall newspaper | text_Akio Mitomi
惜しまれつつ世を去った仲條正義が遺した自伝。自作を語った“NAKAJO語録”をお届けする。
40年以上続いた、資生堂『花椿』のアートディレクションは中核となる仕事だった。
「なにしろ、自分が退屈してしまったらおしまいだから。『花椿』のようなファッションを扱って、毎月出す月刊誌ならなおさら。そうなると自分自身が退屈しないように、自分の興味や好奇心を維持していくことが必須になる」
特に〈コム デ ギャルソン〉特集には仲條節が溢れている。
「いつもデザイナーの川久保玲さんのいうことを聞くこともないだろうと思ってつくったんだ。(中略)東京タワーとモデルの写真を合成して構成したが、なんというか、自分ではいいのか悪いのか、じつのところよくわからない」
「なにしろ、自分が退屈してしまったらおしまいだから。『花椿』のようなファッションを扱って、毎月出す月刊誌ならなおさら。そうなると自分自身が退屈しないように、自分の興味や好奇心を維持していくことが必須になる」
特に〈コム デ ギャルソン〉特集には仲條節が溢れている。
「いつもデザイナーの川久保玲さんのいうことを聞くこともないだろうと思ってつくったんだ。(中略)東京タワーとモデルの写真を合成して構成したが、なんというか、自分ではいいのか悪いのか、じつのところよくわからない」
一方、文字の扱い方もカレンダーを例に語っている。
「基本的に数字部分の文字の比率は同じで、ポスター・サイズの寸法の中に収まっていくように、文字を組みながら行間を調節していった。ポスターの寸法は変えられないので、あとは周りの縁の幅で調節するくらいしかないように思えるだろう。でも、そのなかで組み方を始めると、ひょいひょいとうまくいく場合もあるし、何をやってもダメな場合もある」
「基本的に数字部分の文字の比率は同じで、ポスター・サイズの寸法の中に収まっていくように、文字を組みながら行間を調節していった。ポスターの寸法は変えられないので、あとは周りの縁の幅で調節するくらいしかないように思えるだろう。でも、そのなかで組み方を始めると、ひょいひょいとうまくいく場合もあるし、何をやってもダメな場合もある」
成り行き任せのような手法は、小泉今日子の写真集でも。
「日本語と英語はまったく違う言葉だから、ふつうならこんな馬鹿なことはしないだろうけど、日本語のほうから先にできたのか、英語のほうからだったのかよく覚えていないし、どういう流れで思いついたのかも記憶にない」
「日本語と英語はまったく違う言葉だから、ふつうならこんな馬鹿なことはしないだろうけど、日本語のほうから先にできたのか、英語のほうからだったのかよく覚えていないし、どういう流れで思いついたのかも記憶にない」
コンペで初採用された企業ロゴが〈松屋銀座〉だ。
「本来は『松屋』だけなのに、僕は『銀座』と勝手にくっつけて『MaTSUYa GINZa』というロゴをつくったんだ。当時僕は、どうせコンペなんか通らないと思っていたから、勝手にやったわけ」
「本来は『松屋』だけなのに、僕は『銀座』と勝手にくっつけて『MaTSUYa GINZa』というロゴをつくったんだ。当時僕は、どうせコンペなんか通らないと思っていたから、勝手にやったわけ」
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