20名の漫画家の脳内に存在する“東京”を書き下ろした異色の展覧会。 | ページ 2 | カーサ ブルータス Casa BRUTUS

20名の漫画家の脳内に存在する“東京”を書き下ろした異色の展覧会。

日本を代表する20人の漫画家たちが、それぞれの思う「東京」を描いたアートプロジェクト『漫画「もしも東京」展』が、清澄白河にある〈東京都現代美術館〉で開催されている。

鮮やかな色彩が目を引く出水ぽすかの絵。1枚1枚にタイトルがつけられており、こちらは《深夜のまっぴるま》。
『約束のネバーランド』の作画などで知られる出水ぽすかは、幼少期から東京を当たり前の住処として捉えてきたという。やがて大学生となり、地方から多くの人がやって来ては去っていく姿を目の当たりにして、その感覚は少しずつ変わっていった。

そんな出水自身の体験から思い至った東京という場所を、イラストレーターとしても活躍する作者ならではの繊細なタッチで表現。東京という街や住む人の持つアンバランスさや、現実と非現実の狭間にある絶妙な世界観を、見事な想像力で作品に落とし込んでいる。

誰もが知るマンガ家たちの頭の中や過去の思い出、人生のストーリーが垣間見えるのも、本展の面白さと言えるだろう。
会場でひと際存在感を放つ、黒田硫黄の《天狗跳梁聖橋下》。
希望を感じる物語のような小畑友紀の《願い》。
意外な表現をしていたのが、『セクシーボイスアンドロボ』などでおなじみの黒田硫黄。予備校生時代に最も親しんだ風景であり、大好きだという”お茶の水橋から眺める聖橋”をモチーフにした特大の屏風絵を制作。実在する場所と空想の世界を重ね合わせ、黒田らしい美しい線で大胆に表現している。

また、『僕等がいた』の小畑友紀は、少女漫画家らしい優しいタッチのイラストに、短い物語のような言葉を添えた。男女の口元を覆うマスクが白い鳥となり、さらに別の姿へ……。今という時代を色濃く映した作品になっている。

いつもの漫画とはひと味違う画や表現を見られるのはもちろん、意外な視点や体験、思いもよらない想像から描かれた作品が、見る人に新たな気づきを与えてくれるはずだ。
本展覧会のコンセプトを石塚真一の作品を通して流れるような映像で表現したスペシャルムービー。そのほか浅野いにお、石塚真一、大童澄瞳ら3名の作品に込めた思いや制作秘話を語るインタビュー、制作過程を通じて見えてくる三者三様の東京の姿などに迫ったメイキング動画を公式サイトでは公開中だ。

『漫画「もしも東京」展』

〈東京都現代美術館〉東京都江東区三好4-1-1。~2021年9月5日。10時~18時(展示室入場は閉館の30分前まで)。8月10日、16日、23日は休館。入場料無料。※講堂内のみ事前予約制。

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