CULTURE
謎の天才写真家にせまるドキュメンタリー映画『ヴィヴィアン・マイヤーを探して』
November 5, 2015 | Culture | text_Mariko Uramoto editor_Akio Mitomi
NYをはじめ世界で注目を集める女性写真家、ヴィヴィアン・マイヤー。15万点もの作品を残しながら、生前1枚も公表することはなく、乳母として働いていたという謎に満ちた彼女の生涯と人物像にせまるドキュメンタリー映画が公開中だ。
シカゴのオークションで落札された大量のネガ。現像してみるとそこには、一人の天才女性写真家が存在していた。その正体を調べてみると、唯一ヒットしたのは彼女の死亡記事。彼女はすでに亡くなっており、しかも生前の職業は一般の家庭に住み込みで働く乳母だった。
「どうして乳母にあんな写真が撮れるんだ」。ヴィヴィアンの存在とその作品とがうまく結びつかない。完璧な構図、被写体の人生を瞬時に切り取る感性、そこにはユーモアと悲哀があり、人を惹きつける魅力に満ちていた。
「どうして乳母にあんな写真が撮れるんだ」。ヴィヴィアンの存在とその作品とがうまく結びつかない。完璧な構図、被写体の人生を瞬時に切り取る感性、そこにはユーモアと悲哀があり、人を惹きつける魅力に満ちていた。
生前の彼女は決して素性を明かさず、15万点もの作品を残しながら、1枚も発表することはなかったという。映画『ヴィヴィアン・マイヤーを探して』はネガを落札したジョン・マルーフ本人が、ミステリアスなヴィヴィアン・マイヤーの生涯と人物像にせまった記録だ。
落札した当初はその真の価値が理解されず、ギャラリーや美術館に門前払いされていたというジョンだが、彼の並々ならぬ情熱によってNYをはじめ世界各国でヴィヴィアンの作品展が実現。作品集は売り上げNo.1を誇り、ヴィヴィアン・マイヤーという名を写真史に刻むこととなった。無名の天才と、世紀の大発見をした当事者が時間を超えて巻き起こしていく奇跡のストーリーにも注目だ。
落札した当初はその真の価値が理解されず、ギャラリーや美術館に門前払いされていたというジョンだが、彼の並々ならぬ情熱によってNYをはじめ世界各国でヴィヴィアンの作品展が実現。作品集は売り上げNo.1を誇り、ヴィヴィアン・マイヤーという名を写真史に刻むこととなった。無名の天才と、世紀の大発見をした当事者が時間を超えて巻き起こしていく奇跡のストーリーにも注目だ。
『ヴィヴィアン・マイヤーを探して』
〈シアター・イメージ・フォーラム〉ほか全国順次公開中。公式サイト