MY favorite MV ミュージックビデオの話|ポセイドン・石川 | ページ 2 | カーサ ブルータス Casa BRUTUS

MY favorite MV ミュージックビデオの話|ポセイドン・石川

カーサが注目するアーティストに最新の音楽から、クラシックな名曲、発掘系まで、古今東西のミュージックビデオを紹介してもらう連載。第3回にはポセイドン・石川が登場!

__大学を卒業後、ジャズを勉強されたそうですね。ジャズにもお好きなMVはありますか?

エロル・ガーナー『Misty』が唯一くらい公式で残っていますね。40年代〜50年代にジャズマンたちが活躍した時代は、音源を記録することが中心で、映像に残すことを重要としていなかったんですよね。だから、本当に残っているものが少ない。僕はピアニストがどうやって演奏しているか確認したくて、記録を探し、確認しながら勉強しました。『Misty』は手元もばっちり撮られているし、50年代頃のジャズのMVの中では最高傑作ではないでしょうか。
エロル・ガーナー『Misty』(1954年)
__ゆっくりしたリズムの素敵な曲。やっぱりレッスンや勉強なら、映像を見た方がわかりやすいかもしれませんね。

録音物を聴く限りでは「この和音は、ドからソのくらいまでの鍵盤をおさえなければ出ないだろう」というような音が入っている作品がよくあるんです。確認しようがないので、ジャズピアニストの間では都市伝説のような、実際にジャズの七不思議と呼ばれているんですけどね。それがアート・テイタムというピアニストで、映像はほとんど残っていないんですが、映画『トミー&ジミー・ドーシー物語』(1947年)に、一瞬だけピアノを演奏しているシーンがあって。もう20年ほど前になるんですが、どうしても見たくて、8,000円くらい出してVHSビデオを買ったんです。テイタムの出演シーンは10分くらいだけど、ずっと観ていました。やはり手が大きいんですよね。だからこそ出せる音があって、日本人のサイズでは無理だなと痛感しました。最近、アート・テイタム『Tea For Two』の、譜面ではありえない奏法を、中国出身のピアニスト、ユジャ・ワンが再現して話題になりました。演奏する動画を見ましたが、この人も手が非常に大きな人で。体格というのは、やはり天賦の才だと思いましたね。

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