ART
草間彌生の60年代を振り返る、大規模な回顧展がベルリンで開催。
February 11, 2021 | Art | casabrutus.com | text_Yumiko Urae
存命の現代美術家の中でもセルフ・ブランディングのパイオニアとして知られる草間彌生。ヨーロッパでも数々の展示が行われてきたが、60年代のニューヨーク時代に遡る大回顧展が、ドイツ・ベルリン〈グロピウスバウ〉の3,000㎡のスペースで開催される。
2021年4月23日〜8月1日、ドイツ初となる草間彌生の大回顧展がベルリン〈グロピウスバウ〉で開催される。本展では1952年に出身地の松本で行われた個展から1983年までの8つの展覧会をベースに、ドイツや欧州ではあまり知られていない初期のペインティングや環境彫刻、ハプニング、ファッション・ショー、反戦運動の様子などのドキュメントや同展のために再現された作品が並ぶ。
1965年にニューヨークで発表された最初の《インフィニティー・ルーム》や、1966年、ドイツ・エッセンでの発表《ドライビング・イメージ・ショウ》で草間は欧州でも認められた。その後、アムステルダム、ヴェニス、ストックホルムなど欧州各地で展示が続いたが、近年のドイツ国内での評価は実はあまり芳しくなかったようだ。今回、その歴史に新たな視座を築くことが、〈グロピウスバウ〉ディレクターで今回のキュレーターでもあるシュテファニー・ローゼンタールの狙いでもある。
「先見の目があるラディカルなアーティスト、草間彌生の回顧展を大変嬉しく思います。草間は1960年代の美術界での多岐にわたる活動で特異な地位を確立しただけでなく、彼女の政治的な発言は当時のフェミニズムの言説にも貢献しました。女性のエンパワーメントの重要性からセルフ・スタイリングの意図的な性質に至るまで、今日でも関連性を失っていないある種の問題は、草間の作品のごく初期の段階から明らかにされています」とローゼンタール氏。
1965年にニューヨークで発表された最初の《インフィニティー・ルーム》や、1966年、ドイツ・エッセンでの発表《ドライビング・イメージ・ショウ》で草間は欧州でも認められた。その後、アムステルダム、ヴェニス、ストックホルムなど欧州各地で展示が続いたが、近年のドイツ国内での評価は実はあまり芳しくなかったようだ。今回、その歴史に新たな視座を築くことが、〈グロピウスバウ〉ディレクターで今回のキュレーターでもあるシュテファニー・ローゼンタールの狙いでもある。
「先見の目があるラディカルなアーティスト、草間彌生の回顧展を大変嬉しく思います。草間は1960年代の美術界での多岐にわたる活動で特異な地位を確立しただけでなく、彼女の政治的な発言は当時のフェミニズムの言説にも貢献しました。女性のエンパワーメントの重要性からセルフ・スタイリングの意図的な性質に至るまで、今日でも関連性を失っていないある種の問題は、草間の作品のごく初期の段階から明らかにされています」とローゼンタール氏。
国際的なアートシーンで草間彌生が果たした重要な役割が深く掘り下げられ、再評価されているのだ。
『Yayoi Kusama A Retrospective』
〈Gropius Bau〉Niederkirchnerstraße 7 10963 Berlin TEL +49 30 254 86 0。4月23日〜8月1日。10時〜19時(木曜〜21時)。火曜休。入館料15ユーロ。