自然光のもとで、ルネサンスから印象派までの絵画を撮影した《タブローシリーズ》とは? | カーサ ブルータス Casa BRUTUS

自然光のもとで、ルネサンスから印象派までの絵画を撮影した《タブローシリーズ》とは?

パリに拠点を置く写真家・小野祐次の、東京では14年ぶりとなる個展が、12月12日よりスタートする。

小野祐次, Impression, Soleil Levant, Claude Monet, 2014, Gelatin silver print, 89.5×112.5cm, copyright the artist courtesy of ShugoArts
パリ在住の写真家・小野祐次の個展「Vice Versa ‒ Les Tableaux 逆も真なり−絵画頌」が、12月12日より、東京・六本木〈シュウゴアーツ〉にて開催される。

小野は1963年福岡県生まれの写真家で、現在、フランスを拠点に活動。2011年に、パリの〈カルティエ財団〉で開催された展覧会「ヴードゥー展」で、ポスターやカタログ、展覧空間など、全面的に撮影を手がけたことでも注目を集めた。

今回、東京・六本木の〈シュウゴアーツ〉で開催される個展「Vice Versa ‒ Les Tableaux 逆も真なり−絵画頌」では1995年に着手して以来、撮影を重ねてきた《タブローシリーズ》が披露される。

《タブローシリーズ》の被写体は、16世紀から18世紀に描かれた、初期のルネサンスから印象派までの絵画だ。撮影はすべて自然光のもとで実施。美術館に注ぎ込む自然光や微かな蝋燭の明るさのもとで、「可能な限り時間を遡り、当時の画家たちと同じ条件に身を置いて」撮影することを徹底した。そこにはオリジナルの絵画とはかけ離れた、判然としないイメージが現れるという。時に本来脇役であるはずの額装が主役になり、絵画の掛けられた空間や空気そのものまでが取り込まれ、小野が被写体と対峙した時間が集積となって静かに現前する。

小野は語る。「誠実であること。すでにここ(絵画)には表現が在り、だから尚更に彼らは表現しないことで成立させるのだ。 限りなくゼロに戻すこと。絵画も写真も『すでにそこに在る光』のもとでは同等でありその下僕なのだ。それはこの我が身も同様だ」

「光が描き出した"もうひとつの絵画"」といえる《タブローシリーズ》は、小野が敬愛する画家たちと時代を超えて交歓した証でもあり、また絵画史に対する一撃とでもいうべき行為とその結果といえるかもしれない。

『Vice Versa ‒ Les Tableaux 逆も真なり−絵画頌』

〈シュウゴアーツ〉
東京都港区六本木6-5-24 complex665 2F TEL 03 6447 2234。12月12日~2月 2 日。11時〜19時。日曜・月曜・祝日休。