吉田実香のNY通信|第3のメット〈ザ・メット・クロイスターズ〉を知っていますか? | ページ 2 | カーサ ブルータス Casa BRUTUS

吉田実香のNY通信|第3のメット〈ザ・メット・クロイスターズ〉を知っていますか?

マンハッタンの北端に、中世の僧院を思わせる石造りの建物があります。ハドソン河を見おろす丘に佇む、メトロポリタン美術館の分館〈ザ・メット・クロイスターズ〉。これまで意外と知られてこなかった、NYが誇る「秘密の隠れ家」をご案内しましょう。

早くも動員数100万人を超えた、ヘブンリー・ボディーズ展

『ヘブンリー・ボディーズ』展の会場構成を手がけたのは、ディラー&スコフィディオ+レンフロ。泣く子も黙る、ハイラインの設計やリンカーン・センター拡張プロジェクトなどで有名な建築チームだ。近い将来、NYの新・中枢になると目されるハドソンヤードの「顔」のひとつ〈シェッド〉も彼らの設計である。
同展は、五番街と80~84丁目の本館からスタートする。ビザンチン・ギャラリーではドルチェ&ガッバーナ、ヴェルサーチなどが古代の宗教美術に影響を受けたデザインを展示。中世ギャラリーでアレキサンダー・マックイーンやバレンチノ、ディオール…と、古代美術と、カトリックの教えのもと育ったデザイナーたちの華麗なクリエイションの競演が味わえる。
一方〈ザ・クロイスターズ〉では、ミニマリストなファッションが僧院の建築や聖画と響き合う。中庭に面した〈グラス・ギャラリー〉では、エデンの園にインスパイアされたファッションがズラリ。

メットならではのスケールで展開される、カトリックの宗教美術と、20〜21世紀のファッションとの対話。ぜひ時間をじっくりかけて味わって頂きたい。
メトロポリタン美術館/ザ・メット・クロイスターズ
五番街の本館、旧ホイットニー美術館で現代美術専門の分館〈メットブロイヤー〉、そして三番目のメットこと、〈ザ・メット・クロイスターズ〉。

〈The Met Cloisters〉

99 Margaret Corbin Dr., Fort Tryon Park, New York。10時~17時15分(10月31日まで)。11月1日〜翌年2月28日までは10時〜16時45分。感謝祭、クリスマス、元日以外は無休。入館料25ドル(3館共通、3日間有効)。NY州居住者は任意の額を払うドネーション方式。『ヘブンリー・ボディーズ:ファッション、そしてカトリックの創造力』展は10月8日まで。

行き方/ダウンタウンやミッドタウンからは地下鉄Aトレインで「190th St」下車。エレベーターで地上に出たら、バス停で「M4」のバスに乗る。1つ目の停留所がクロイスターズ前。または駅を出て、Margaret Corbin Driveを徒歩で北に10分。NYの地下鉄は工事も多いため、メトロポリタン美術館からだと所要時間1時間弱は見ておきたい。

吉田実香

よしだみか  ライター/翻訳家。ライター/インタビュアーのパートナー、デイヴィッド・G・インバーとのユニットでNYを拠点に取材執筆。『Tokyolife』(Rizzoli)共著、『SUPPOSE DESIGN OFFICE』(FRAME)英文執筆、『たいせつなきみ』(マイラ・カルマン 創元社)翻訳。