青野尚子の「今週末見るべきアート」| たくさんの線の声を聴く展覧会。 | カーサ ブルータス Casa BRUTUS facebook-a facebook instagram line twitter youtube

青野尚子の「今週末見るべきアート」| たくさんの線の声を聴く展覧会。

森美術館で開催中の「シンプルなかたち展:美はどこからくるのか」に呼応する形で開かれている、銀座メゾンエルメス フォーラム「線を聴く」展。この展覧会では、線のさまざまな表情が楽しめる。

©Nacása & Partners Inc. / Courtesy of Fondation d'entreprise Hermès
展覧会タイトルの「線を聴く」にはやや奇妙な響きがある。線は聴くものではなく、見るものでは? 視覚はある一定の方向にしか働かないけれど、耳は360度どの方向からの音も聞くことができる。この展覧会では線が生まれるきっかけ、スタート地点にフォーカスをあてたいと考えた、と企画者は言う。
髙田安規子・政子《庭園迷路》2009年 タイプCプリント 26×34cm
苔でできた迷路の写真は髙田安規子・政子の作品。迷路の形に切り抜いた紙を苔の上に置いてつくるのだが、数時間後には迷路の形は崩れてしまうのだそう。入り口と出口がある迷路は人の一生や宇宙を表すとも言われる。一本の線に長大なものが凝縮されている。
アトリエ・ワン《マンガ・ポッド〈ジャイアント〉》2015年 合板、雑誌 240×280×280cm ©Nacása & Partners Inc. / Courtesy of Fondation d'entreprise Hermès
カールステン・ニコライのドローイングはアトリエ・ワンの《マンガ・ポッド〈ジャイアント〉》に展示されている。ニコライの作品は数式など規則性のあるものを視覚的なパターンに変換したり、二つのパターンが重なってできるモアレをモチーフにしたもの。彼はもともと自分の作品制作のためのアーカイブを作ろうとしていたのだが、それをオープンソースにして他の人の新しいクリエイションにつなげたい、と考えた。本棚のある休憩所としてデザインされた《マンガ・ポッド〈ジャイアント〉》はニコライのコンセプトにはぴったりだ。