縄文界を代表するトップスター《遮光器土偶》|ニッポンのお宝、お蔵出し
季節に応じて床の間の軸を替えるように絵や彫刻を愛でる。今回は縄文界を代表するトップスター、《遮光器土偶》です。
この燃えるような赤い展示室に飾られているのが国宝《火焰型土器》だ。炎のような飾りが縁を覆う土器は縄文のシンボルでもある。複雑な文様はヒモのように細長くした粘土を貼り付けたり、ヘラなどで削ってつけたものだ。
「上の方の大きな飾りを小さな底面で支えている。模型を作るときなどに出るバリ(はみ出し)もない。そして、上からのぞき込むと正円なのがわかります。この土器はどこが正面ということはありません。どの方向から見ても完璧な形なのです」と〈東京国立博物館〉考古室長の品川欣也さん。縄文の技術力の高さがわかる。
「上の方の大きな飾りを小さな底面で支えている。模型を作るときなどに出るバリ(はみ出し)もない。そして、上からのぞき込むと正円なのがわかります。この土器はどこが正面ということはありません。どの方向から見ても完璧な形なのです」と〈東京国立博物館〉考古室長の品川欣也さん。縄文の技術力の高さがわかる。
縄文の造形にはこれら土偶、土器のほか、動物の形をした土製品が多い。猪は狩猟の対象として、あるいは犬とともに飼育された可能性があることから身近な動物として作られたと思われる。獰猛さが畏怖の対象になったとも、多産なことから生命力の象徴となったとの説もある。いずれにしても縄文人にとって身近な動物だったようで、数多くの像が造られた。このほかに貝、サル、熊、鳥、犬、狼、カエルなどの土製品が見つかっている。どれも愛嬌のある、ほのぼのとした形が愛おしさを感じさせる。