『東スポ』のようなもの⁉︎ 五木田智央『PEEKABOO』開催中。 | ページ 3 | カーサ ブルータス Casa BRUTUS

『東スポ』のようなもの⁉︎ 五木田智央『PEEKABOO』開催中。

国内の美術館では4年ぶりとなる個展を開催中の五木田智央。驚くようなエピソードが潜んだ制作の裏側とツウな見どころを聞きました。

過去に発表した小品のシリーズをひとつにまとめて構成したインスタレーション《Untitled》2008、2014−2015、2015年。
Q  800点以上のドローイングで構成したインスタレーション《Untitled》は絵が動いているように見えたり、まるで飛び出しているような立体感も感じたりして、不思議な鑑賞体験が味わえます。どうやってレイアウトを決めたのですか?

A この作品はもともと3つの集合体から成る作品で、今回それを全部床に並べて、そこから1点ずつ、直感で選んで壁に貼り付けていきました。シミュレーションもやり直しもせずに、一発勝負。3日間くらい集中して仕上げました。こんなふうにまとまるなんて思ってなかったから、完成したときは「奇跡が起きた」と。そういえば、(指差しながら)この小さい縞模様の作品あるじゃないですか。これは2日間くらいかけて描いたんですよ。200号のでかいキャンバスよりも時間がかかってますね(笑)。
《Untitled》2008、2014−2015、2015年(部分)。中央右側にある幾何学的な縞模様の作品の大きさはハガキ大ほどだが、48時間以上をかけて描いた力作だ。
Q  2002年から断続的に制作されている架空のレコードジャケットシリーズ《Gokita Records》全225点もボリューム満点ですね。

A これは作品というよりも完全に趣味というか、息抜きで描いているものです。くだらないけど、これだけ集まるとおもしろいですね。
ずらりと並ぶ架空のレコードジャケットシリーズ《Gokita Records》2002〜2018年。
絵に行き詰まるとプロレスラーの模写を始めるんですよ。何も考えずに描けるからリフレッシュになる。
《Gokita Records》(部分)。プロレス好きなら誰もが知るレスラーが並ぶ。
もともと、ジャケットのないレコードを見て「真っ白だからなんか絵が描けそうだな」と、思ったところから始まったんです。レコードの中央に穴が空いているから、レスラーの顔を描いた紙を貼り付けて、適当に好きな曲のタイトルをつけて。似せようと思わずに雰囲気だけを捉えてささっと描いたものもあるし、2日間くらいかけて緻密に模写したものもある。注目してもらいたいのは楽曲の方でもあって、音楽好きの人が見たら「おいおい、五木田。なんでこんな曲知ってんだよ」ってツッコミたくなるようなマニアックなものもある。ジャンルレスに何でも聴くんですよ。いつか《Gokita Records》が1000枚になったら作品集にしたいですね。

『五木田智央 PEEKABOO』

東京都新宿区西新宿3-20-2 TEL 03 5777 8600(ハローダイヤル)。 〜6月24日。11時〜19時(金・土〜20時)。月曜休(4月30日は開館)。入場料1,200円。

五木田智央

1969年東京生まれ。イラストレーションから出発し、60〜70年代の雑誌や写真に着想を得た作品を発表。その後、キャンバスにアクリルグワッシュで描くモノクロームの作品を中心に制作。NY、LA、ベルリンなどでも作品を発表し、高い評価を得る。2014年にDIC川村記念美術館で『THE GREAT CIRCUS』を開催。