「そこまでやるか」という壮大なプロジェクトを集めました! | ページ 2 | カーサ ブルータス Casa BRUTUS

「そこまでやるか」という壮大なプロジェクトを集めました!

東京・六本木の〈21_21 DESIGN SIGHT〉で6月23日から開かれる展覧会のタイトルは「『そこまでやるか』壮大なプロジェクト展」。クリストとジャンヌ=クロード、ダニ・カラヴァンら、世界各地で途方もないスケールのプロジェクトに挑む作家たちのグループ展です。

ダニ・カラヴァン「大都市軸」(1980~現在) (c) Elisabeth Toll
ダニ・カラヴァン「ネゲヴ記念碑」(1963~1968年)(c)David Rubinger
ダニ・カラヴァン「大都市軸」(1980~現在) (c) Elisabeth Toll
ダニ・カラヴァン「ネゲヴ記念碑」(1963~1968年)(c)David Rubinger
長い年月をかけて “彫刻” を作っているのがダニ・カラヴァンだ。パリ郊外にある《大都市軸》は長さ3.2kmと大きさも桁外れ。パリの街を貫く「都市軸」を作り出した人々へのオマージュでもある。札幌芸術の森野外美術館にある《隠された庭への道》など、日本でも恒久設置作品がある。今回の展示では映像や模型、スケッチで彼の作品を紹介する。
ジョルジュ・ルース 「Project Tokyo 2017」(c) Georges Rousse
板がランダムに組み合わされたインスタレーションの中を通って振り向くと、ある一点から見たときだけ完全な円が見える。フランスのアーティスト、ジョルジュ・ルースの作品だ。禅画にもよく登場する円は内省を促す形だ、と彼は言う。車輪や時間の流れなど動きを表すものでもある。赤、青などの原色は安藤建築のコンクリートとの対比から選ばれた。彼は当初、廃虚など取り壊しが決まった建物の壁にペインティングやドローイングをするという作品をつくっていた。彼の作品には空間と、そこで過ごした人々が積み重ねてきた時間へのリスペクトが詰まっている。
西野達 「The Merlion Hotel (Singapore Biennale 2011)」
街角のモニュメントなどを取り込んで世界各地でテンポラリーなホテルやリビングルームをつくってきた西野達は、新設されたギャラリー3にカプセルホテルをモチーフとしたインスタレーションを展示する。ベッドがロッカーのように整然と積み上げられたカプセルホテルはいかにも現代日本らしい空間だ。でもそれが美術館の中にあることで、妙な違和感がわいてくるはずだ。何か変だ、そんな直観がものの見方を変える。

泥のペインティングで人気の淺井祐介はかつて描いた絵をパズル状に分解して再構成、その上に新しく絵を描く。新たに描く絵は東京ミッドタウンで採取した土も使う。描き始めると止まらない彼は気づくと何時間も制作していた、ということもあるそう。並大抵ではない集中力で描き続ける。

彼らはなぜ、膨大な労力と時間をかけて制作するのだろう。「自分たちがその美を見てみたいから」とクリストとジャンヌ=クロードは答える。西野達は「観客に肉体で考えるように仕向ける」という。作家の動機はさまざまだけれど、私たちも「そこまでやっていい」のだ、そう思うと不思議なパワーがわいてくる。

「そこまでやるか」壮大なプロジェクト展

〈21_21 DESIGN SIGHT〉

東京都港区赤坂 9-7-6
東京ミッドタウン ミッドタウン・ガーデン TEL 03 3475 2121。2017年6月23日〜10月1日。10時〜19時。火曜休。公式サイト