青野尚子の「今週末見るべきアート」|銀座エルメスで出会った3人の“曖昧な関係” | ページ 2 | カーサ ブルータス Casa BRUTUS

青野尚子の「今週末見るべきアート」|銀座エルメスで出会った3人の“曖昧な関係”

〈銀座メゾンエルメス フォーラム〉で始まった、国籍も年代もばらばらな3人のグループ展。展覧会のタイトルは『曖昧な関係』です。何と何の関係なのか、その関係の何が曖昧なのか、いろいろと考えてしまう意味深なタイトルの展示には、思ったより深い関係がありました。

ベルンハルト・ショービンガーの作品展示風景。さまざまな形や高さの展示台が並ぶ様子は小さな街のよう。
ベルンハルト・ショービンガーのジュエリーはときに攻撃的に感じられる。びりびりに破かれた家族写真や、割れたボトルやガラス片がネックレスになっていたりするのだ。
阪神大震災のがれきで作ったネックレス。
彼は何度も来日しており、日本文化にも造詣が深い。割れたガラスのネックレスは1995年の阪神大震災で被災した建物のガラスで作ったもの。彼がこのネックレスを作ったのは地震から20年近く経ってからのことだった。
家族写真を破いて作ったショービンガーのネックレス。紙のちぎれたあとが生々しい。
「僕のジュエリー、特に初期の作品は理解しづらいところがあるかもしれない。たとえば、破かれた写真のネックレスを見て僕の先生は『なぜこんな美しい写真を破いてしまうのか』と言って怒った。でも、モネだって今は美しいとされているけれど、当時の人々にとってはショッキングだったはずだ。パンク・ミュージックも同様だ。今では音楽の1ジャンルとして認められているけれど、最初はこんなもの音楽じゃない、とみんなが眉をひそめていた。ものの見方や美醜の価値観は歴史の流れによって変わっていくものなんだ」(ショービンガー)

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