岡山にハイクオリティなアートが集結。『岡山芸術交流』徹底リポートです! | ページ 2 | カーサ ブルータス Casa BRUTUS

岡山にハイクオリティなアートが集結。『岡山芸術交流』徹底リポートです!

最近、各地で盛んに開かれている芸術祭。中でも本格的なコンセプチュアル・アートに的を絞った硬派なものが『岡山芸術交流』だ。アーティスティックディレクターにリアム・ギリックを迎えて始まったこの現代美術の大型国際展に登場する、ハイクオリティな作品をより深く理解できるリポートをお届けします。

荒木悠《利未記異聞》(レビ記異聞)。机の上にはタコ墨のインク壺が置かれている。
この展覧会に並ぶコンセプチュアル・アートは、文字通りその“コンセプト”がわかると、もっと面白くなる。たとえばもと学校だった〈旧後楽館天神校舎跡地〉の用務員室などを使った荒木悠の《利未記異聞》(レビ記異聞)は、岡山名物「下津井のタコ」をモチーフにしたものだ。

「干しダコを作るときに独特の干し方をするのですが、西日本では各地で下津井と同じような干し方をするようなのです。僕は関東出身なのでそれが珍しくて、そこから『レビ記』の異聞という作品を着想しました」(荒木)

「レビ記」とは旧約聖書中の、「鱗とヒレのないものは食べてはならない」という記述のあるテキストだ。タコは当然、食べることができない。そればかりでなく英語では「devil fish」、悪魔の魚と呼んで忌み嫌う地域もある。そんなことから荒木は干しダコやキリスト教の伝来にまつわる偽の歴史を作り出した。
下津井のタコから着想した荒木悠作品。もと学校の一室に、虚実入り交じるインスタレーションが展開する。
「全編フィクションです。そのことがわかるように、わざと間違えているところもあります」(荒木)

会場では映像やマリア像、つい先ほどまで誰かがいたような部屋、そして暗がりに潜む干しダコまで、奇妙な世界が展開する。時空が歪む感覚が心地よいアートだ。
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